ある意味4コマ界の異端児的なセカイ系作品。『少女終末旅行』から脈々と続く、明晰夢のように現実で非現実的な世界観ですが、物語の中で変貌する世界がまさに登場人物の感情の表れであると捉えて読むと、さらに世界に奥行きが生まれてくる気がします。
ハイスペックなのに負けヒロイン属性な姫ヶ崎櫻子さんの物語。巨乳金髪ツインテな櫻子さんは、三森夏樹くんの幼馴染。彼のことが好きなのに、冒頭いきなりよくある“運命の出会いシーン”を別のヒロインにとられてしまう不遇さ。他にもあれこれ間が悪かったりドジったり、あまりに不憫な様子が可哀想ながらも可笑しい内容になっています。まあ、ちょっとやりすぎ感あって引く部分もありますが、もう1人のヒロイン・榊雪菜さんをはさむことでラブコメ度が高くなってゆくので、そこが楽しみ要素ですね。エロコメ感あるので苦手な人苦手かもですが、2巻では第3のヒロインも登場して今後が楽しみな作品です。
そうかこれも4コマ作品か、と選んでる最中に気づいて急遽5冊のうちの1冊に。ツイッター経由でいつも楽しませて頂いていた家族と家猫の日常。単行本では1ページに2コマずつとなかなか贅沢な使い方ですが、1コマ1コマがポストカードみたいにかわいい画風なので物足りなさみたいなものはないです。台詞のないサイレントマンガですがそれでもちゃんと伝わる面白さ。単行本では枠外にちょっとコメントが入ったりもしています。楽しくてやさしい空気が流れている心地よい作品です。
ヤバいほどの想いをぶつけてくる女の子VS容赦無しにその想いを突っぱねる男の子のラブコメ(?)作品。 不条理ギャグ漫画の中でもトップクラスにエッジの効いた作品で、2人とも当たり前のように人間の枠を超えた行動をしてるのが面白い。
こちらも最終巻。「艦隊これくしょん」のキャラクター艦娘たちの日常を、主人公・吹雪さん中心に描く4コマ作品でしたが、最後もいつも通りに新しい仲間や任務、おかしな日常風景が繰り広げられる内容でしたね。最後の話もいつも通りな感じで「明日へ」といった雰囲気が出ていてよかった。描きおろし漫画(1)では一気に28人の新艦娘がやって来て壮観でありましたし「またいつかどこかの海で」とのことで、再び会える日を待っています。やっぱり「艦これ」は吹雪主人公でなくちゃね(万年秘書艦吹雪提督)。本当に長らく楽しませていただきました!!!
灰色のもじゃもじゃな猫キャラ・ぶーちゃんのゆるい日常を描いたギャグ4コマ。思い通りにいかない日々の理想と現実のギャップが笑いを誘うとともに、それでも他者への優しさを忘れないぶーちゃんが胸に迫る。いつの時代にも変わらない普遍的な人間性がここにある。
個人的に「欲望に忠実な子たちの4コマが読みたいな」と思っていたところに現れたのがこの漫画。この作者ならではのダイナミックな感情と独特の台詞回しも好き。YouTubeにはアニメーションもあるのでそちらも見て欲しい作品。
それぞれ秘密を隠し持ったJK4人のドタバタスクールコメディ(死語) 各人の設定を活かし終始怒涛の如く畳みかける展開で疾駆で読み終えてしまった。 忍者と宇宙人と女装男子とエスパーが好きです(全員)
才色兼備・品行方正の優等生 西園寺ジュリは重篤な百合オタク。普段の学校生活ではオタク趣味を隠していますが、あることがきっかけで同級生の立花ひろみにオタバレしてしまい、さらにはひろみが憧れの小説家・橘ロミその人であることを明かされて……!? オタクが自分の趣味について自論・妄想・脳内設定などなど熱っぽく語ってるのが好きな人におすすめです。創作物のBL・百合を楽しむことと、自分と同じ次元にいる同性カップルに対して好奇の目を向けることを峻別する作品全体の姿勢も誠実。
一見するとハイテンションで百合をネタにしているギャグ漫画……のようですが実のところその裏に真摯に向き合おうとするものが詰まった作品です。1巻も投票範囲なのですが、2巻でのジュリさんの強火かつ真摯に創作に向き合う姿勢(それも百合に限らず)に惹かれたことと、何より伊緒さんとのばらさんを巡る物語がどストライクでしたので2巻の選出と相成りました。ちょっとテンション高めですが、百合を扱うということ、場合においては創作物を扱うということについては本当に真摯な作品なので是非にも読んでほしいです。
ついに20巻です!連載も25年を越えて、もう少女漫画界のレジェンド4コマと言ってもいいのではないのでしょうか!オカルトからバイオレンスまで何でもありの4コマ漫画ですが、やはりりぼんの連載作だけあって少女漫画展開もちょいちょい描かれています。向かうところ敵なしの最強(恐)美少女ヒロイン・めぐみが、いとこの嵐士にカモフラージュ彼女を頼まれて動揺する回にちょっとソワソワしてしまいました…!(笑)
矢部太郎幼少期の父親との出来事を綴る。 めちゃくちゃ感動ヤベ~!!!というわけではなく(矢部なだけにな ただ終盤はちょっとウルっときました)、 ゆるやかな時の流れとちょっと独特なお父さんとのやりとりが染みます。遥かなるノスタルジーっちゅう奴や……
マンガはどうしても型にはまりがち。「宇宙人が転校してきた」と始まったら、その宇宙人がなんだかんだと情にほだされ、友情を紡いじゃうのが定番でしょう。ところがこの作品そこらへん結構ドライで、宇宙人はあくまでも「異物」のまま無理矢理クラスに溶け込み、主人公を振り回す日々を過ごす、という。それでいてブラックな…不道徳なテイストではなく、あくまでものほほんと平和。SF的な設定もあれこれ盛り込まれ、藤子・F・不二雄作品(『モジャ公』あたり)に近いテイストです。
「意味がわかると怖い話」に解答編を付けるというフォーマット、一冊目が出た時には随分とネガティブな感想がありましたが、それをものともしないヒット作に。かくて確立したフォーマットに載せての第2巻です。「怖い話」という基本を外すことなくアイデアは多彩、しかもそれぞれ4コマ1本に凝縮しているから、なんというかカロリーが高い作品。これで想定対象読者層は小学生で、そのあたりのバランス取りも何気に面白い。
家電量販店勤務の夫と看護師の妻が、たまにそろった休日に、破天荒な方向に全力で遊び倒すという漫画。15年前の漫画であれば、こういう馬鹿をやる主人公は、大学生だったりフリーターだったりしたと思うのですが、ファミリー4コマ誌の読者年齢も変わったためか、既婚社会人が無茶をするようになりました。 社会人ゆえに馬鹿ができる日数も減り、ある程度は企画を立てて馬鹿をするようになっていますが、「自由と馬鹿」をテーマとしたエンターテインメントは健在で、開放感のある面白さがそこには満ちています。 「自由と馬鹿」の4コマ漫画は1970年代のいしいひさいち『バイトくん』に源流があると思うのですが、2020年代においてもその面白さは衰えず、読者を元気にしてくれます。
絵柄から大家族の元気さと勢いがものすごく表現されておりとても読みやすい。ぶっ飛んだ個性豊かな家族が織りなす波乱が話を賑やかにします。「いつか漫画家になったらあさひを連載する」という子供の頃からの夢を叶えてるのもこの作者らしい情熱を感じる。
「仕事上言わなくていいことをつい言ってしまう男」というキャラクターの空回り型な熱血っぽいところや、余計なことをつい言っちゃうのに憎めないあたりが、もうキャラクター造形の妙というか、もうこのキャラを造った時点で勝ちなのでは…と感じてしまいます。そして脇を固めるキャラたちもまたうまく造っているんだこれが。気になる特徴がみんなにあってそれもまた面白い。
宿願だった天下布武がようやく軌道に乗りつつも度重なる戦いで荒んだ信長の心には致命的な軋みが生じて…。歴史ものである以上ある意味ネタバレ済みなのですが、同じ世界観のスピンアウト作品でもおそらく意図的にボカされていた”あの”最期に至る経緯がどう描かれるのかは興味津々です。
人生にはいろんな穴がある。ハマりこむといろいろ大変なことになる穴がそこかしこに。そんな心理的なあれこれがフルカラーの圧倒的画力で迫ってくるのでそれが魅力的というか。口当たりはいいんだけどもそれでいていろんな味が口の中で衝突しまくってどういう味になるのか予測不可能って感じがします。
4コマ目でオチがいつもしっかりしていて言葉選びがずっと面白いのでマンネリにならずいつまでも読み続けられる作品。原稿はもう長いことデジタル派なのでアナログ原稿ネタ豊富なこの作品はどこか懐かしい気持ちにもなります。アニメの二期はまだでしょうか…キャラのイメージがしっかりしているので新刊を読んでいても未だに脳内では声優さんの声で再生されます。
とぼけたノリの、オフビートなコメディ。これこれ、こういう4コマが読みたかったんだよ。何も考えず笑って心があったかくなって、それだけでもう十分なんだよな。絵もすごくかわいいし。あと個人的にはぱれっとのイズムが感じられて、そこも嬉しかった。
御神楽奉納、どういったものか知ってはいましたが、ここまで活発な活動が行われ、愛され、繋げて行かれているのかと驚かされます。その様を高校の部活を舞台に大変さも楽しさもありありと描いている本作。作者体調都合により連載は途中で終わってしまっても、描き下ろしでしっかり完結に持っていき、全3巻でまとめたのは、神楽という文化にとってはもう文化功労者賞に相当すると言っても過言ではない。
上下巻同時発売のこの作品は「春と秋について」の正統続編。奏でという不登校の女の子が加わることで前作では見られなかったハルとアキの「大人」の面を感じることができます。前作から読んでいる人にはハルとアキという人間をより深く掘り下げた描写に唸らされること請け合いです
ネタバレ:クレオパトラ死亡。…カエサルの死後、いよいよもって世に知られる「悪女」然となるクレオパトラですが、本作はそうした史実から逸脱することなく、しかし誇り高く、聡く、そして可愛らしいクレオパトラを描いています。それをシリアス一辺倒のストーリーマンガではなく、お笑い混じりの4コマフォーマットでこなしているのが凄い。最後の最後は「お前がおいしいとこ持ってくのかよ!」も含めて、心地よい余韻を残してくれます。
あまのじゃく男子・いっくんと小悪魔系女子・さくらの両片想い。お互いのベタ惚れ・一途な本心を知らずにすれ違う二人が可笑しく、さくらの思わせぶりな仕草と豊満なボディがムッツリ男子ゴコロに刺さる。俺は好きになんて… 好きに… 好き~!
高尾山をガイドする4コマとしてコロナ禍に直面し、リモートワーク、外出自粛、マスク着用など、フィクションながら現実を反映することになりました。高尾山をめぐって図らずも時代の記録をすることになった本作、エンターテインメント性を保ちながら、そのときどきのキャラクターの行動と気持ちのありようを丁寧に追っています。
「本と書店を愛するすべての人へ(帯文)」。様々な書店に勤める様々な書店員さんたちが、それぞれの日常の中で想いをつづるお話。ある書店の女性はいろんな作者のいろんな本を売ろうとポップ書きやコーナーづくりを頑張りつつも、当てが外れたり開き直ったりする様子が面白い。また作家志望の書店員さんの複雑な思いやら、花屋の隣にある本屋さんの女性と花屋さんとの関係やら、古本屋の店主のこだわりなどなど、様々な書店の人々による日々の言葉の連なりが可笑しかったりしみじみしたりと、上質に楽しませてくれる作品になっています。
アイドルとその元彼氏、そしてアイドルの妹による三角関係があたたかさと湿度感を伴いながら描かれる作品ですが、最初はアイドルの妹側が恋愛対象としてすら思われてないところから、段々とアプローチをして距離を詰めていくところが見所です。アイドルとその元彼氏の過去話が描かれるところも伏線として重要なので要注目です。
良い意味で深く考えず、ただただ笑えるところが大好きな4コマ漫画です。2巻もひたすら楽しませてもらいました。医療マンガ(!?)だからついに新型コロナも題材に!あやっぺ先生ならコロナ禍も吹き飛ばしてくれそうです。マジご臨終。帯コメントがイラストレーターの中村佑介さんだったのも驚きの2巻でした!
この作品は百合です。 面倒臭がりOL面堂さんと、料理は愛情手間暇かけたがる社長秘書の十越さんがそれぞれ互いに「心の十越さん」と「心の面堂さん」がいるって、それはもう百合ですよね。社会人百合ですよね。 今巻も49Pのめんつゆレシピ本で面堂さんを連想してしまう十越さんは百合判定待ったなしです。百合漫画大賞にノミネートされてないのはきっと何かの間違いです。
ものぐさながらもなんだかんだで後輩思いのずぼら先輩と、常識人のようで割と暴走しがちなまじめちゃんの組み合わせがいい感じ。 ボケ要員の先輩とツッコミ役の後輩・・・と見せかけて実は2人とも違うベクトルでトンデモ行動をしているのがこの作品の面白さですね。
引っ込み思案を克服して無自覚な甘え上手スキルを開花させつつ豊橋市民としての知識を深めていくほのかの成長ぶりが愛おしいやら末恐ろしいやら…。今では定番ジャンル化した地域密着型4コマの中でも特に狭く深いネタを追求しつつネタ切れの気配がないのは佐野先生の実力と地元愛の賜物なんでしょうね。
ローファンタジーな世界観の中、作中の洗濯知識はガチなこの作品も、もう4巻。 まずはそれだけやってて洗濯ネタがまだ尽きていないあたりが、凄いと思います。 一方のファンタジー要素も、実に多彩なお客さんが来る事で、さながらあやかし図鑑なてんこ盛り具合。 そんなお客さんと鬼桐さん・茶子のやり取りに、笑わされたりほっこりさせられたり。 さらには茶子が大学卒業後も洗濯屋鬼桐を手伝う決意をするなどエモい話もあり。 何かが無茶苦茶グサッと刺さるような作品ではないのですが、何となくこの心地よさに浸りたくなります。 なお今回4巻では、話と話の間・おまけページのイラストが結構じわっと来ました。 「うしろから、となりへ。」とか、茶子が魔王くんを膝枕していたりとか。
異世界転生+ファンタジー+猫!!  「出たとこファンタジー」「ポヨポヨ観察日記」の樹るうさんの本領を発揮しまくれる完璧な布陣の本作。 コスプレ合わせをしていたら川で溺れて死んだと思いきや猫に転生!?という異世界転生から、急転直下な展開の嵐で楽しさ満点ジェットコースター。そして可愛い子猫たんに癒されるアフターケアまで万全! 1巻でこの濃密さ・・・予測できない物語展開が今後も非常に楽しみな作品です。 ちなみにドナくんのモノローグは、CV杉田智和さんでの再生が非常にしっくりきます。
18巻になってもネタ切れしないどころかむしろどんどん面白くなっていて、雑誌を買ったら最初に読んでる。よく不審者に間違えられるあつしが身分証明のためにマイナンバーカードを取りに行く話など、作品の設定と時事ネタをうまく絡めているところがさすがだなと思う
昼は虚弱、夜はハッスル。まるで吸血鬼のような体質の警察官・黒影夜子と村の人々との交流をコメディタッチで描いた作品です。夜子以外にもくノ一女子高生や目立ちたがりの村長などの突拍子もないキャラが出てきますが、不思議と作品内では地に足がついた存在になっています。これがあるのでコメディと人情話を両立できた作品になっているのです
今回って、「奥さまはアイドル」という原点回帰的な話作りが見えることもあれば、まゆりちゃん達のフリートークで一話描いてみせる実験的な話作りをしたりとか、ここに来てなにかを変えていく探求心的なものがあるのがすごいなと。
「赤ずきん」や「白雪姫」といった昔話も、安堂友子先生の手にかかれば抱腹絶倒のギャグに早変わり。原典では悪役扱いの狼や魔女も憎めないキャラクターとして描かれていて、彼らも物語の役割を忠実に演じていただけなのかもしれない…と思わせてくれる
「つ・き・あ・え・よ!」と1巻から思っていた花野さんと宮司さんが、ついに…!?色々進展してほしいけれど、これからもなかよく一緒におやつを食べたりする二人ののんびりな恋路をニヤニヤしながら見守りたかったりもします。(埼玉絡みのおやつ、いつもおいしそうです) 野広先生は一癖も二癖もある男女のラブコメ4コマの名手ですね。
ご当地物の新作ですが、主人公の魅力が強くて気に入りました。魅力度ランキング最下位からの脱出を目指して奔走する主人公と、それを支える親友。茨城の魅力をたっぷりと紹介してくれる所と、ギャルなのに真面目で思いやりに溢れる主人公の描き方が秀逸だと思いました。
実態があまり見えてこないフィギュア原型師の仕事ネタから一癖も二癖もあるキャラクターを動かして繰り出されるコメディと多角的に描いて来ています。こるりちゃんと半藤がほんのりラブコメ空気を出してきてそれをひたきが後押ししたりと新たな楽しみなシチュエーションが出てきてますます目が離せなくなってきています。
今回はちょうどよい分量で終わったのかなぁという感じ。 時代ものだけど、オチなどに現代の事象を持ってくるときのセンスの良さは変わらず、今回は終盤にロマンスとサスペンスチックな展開まで盛り込んできて、ほんと絶妙な具合にお腹いっぱいになる終わり方でした。 出版社を問わず今後の作品にも期待。
義理の親娘になったふたりの関係性を描くその先の親娘百合作品になるのかこれは。 キャラクターに温かみを感じる作風に、題材的には湿った方向に傾きかねないところに爽快さを持たせるバランス感覚によって、毎回良い読後感があります。
高飛車で悪霊ぶってる「人形霊」、度を越えたお節介焼きの飼い主に似てしまった「オウムの霊」、イタズラ電話好きだった人の霊が入った「心霊電話機」、前巻から引き続き胡散臭さ爆発の「よろず屋霊」、相変わらず素性に謎が多い「先祖霊」などなど、いつにも増して癖物な霊が多かった12巻でした。 結構な長期連載なのに個性的なキャラ(主に霊)を生み出せる作者の引き出しの多さは見事ですね。
酔った勢いで石碑をお持ち帰りしたら、幽霊の娘(こいしさん)も憑いて来ちゃたお話。一つ屋根の下(アパートだけど)での同棲状態にキャーキャーなこいしさんに比べて、お持ち帰りした瞬さんの冷め具合が気になるところです。別の女性も出てきて、それに嫉妬するこいしさんカワイイです。そもそも、絵柄がカワイイ。
ついに世に出た孔明。曹操の進軍により逃避行を強いられる劉備。時代はいよいよ三国志最大の舞台「赤壁の戦い」戦いへと流れていきます。その前段階として劉備と孫権の同盟を結ぶために魯粛が劉備のところに訪れるのです。盛り上がってきましたよ。
I am A girl. Just A girl. 登場人物たちの日常が交わる「今」を描き続けたAチャンネルの集大成であり次のチャンネルを回すための始まりの巻でもある第11巻。別れを自覚し始める彼女たちにはなんてことのない「ごめんね」も「ありがとう」も特別に聴こえることだろう。いつも通りの、特別な日々を感性豊かに生きる彼女たちを見届けられて心から良かったと思う。
旅行編が完結し、木組みの街に戻ってきたココアたち。チノたち中学生組はもう高校生で、リゼも大学生になりました。旅先で知り合った新たな顔ぶれの面々なども交えて、第二章開幕といっても過言ではない新しい春がこの巻からスタートしています。新たな出会いと、仄かな別れの予感。積み重ねた過去の重みと、未知への期待。刺激に溢れたごちうさ世界は常に進化を続けており「常に今が最も面白い作品」です。
もし『ステラのまほう』を雑誌連載で追っている人がいましたら是非単行本を読んでください。この巻はついに主人公である本田珠輝の物語となっており彼女にとって姉のような存在である椎奈先輩との関係が描かれておりますが、原作で描かれた「その先」が描き下ろしとして巻末に描かれています。この2人がそれぞれに抱く想いを端的に表したそれぞれの言葉が『ステラのまほう』としての集大成の一つともいえると思えます
せんりの新しい妹・ソラは伯母が作った人型ロボットのはずが、心は遙か彼方から精神を飛ばしてきた宇宙人。ツインテとワンピをオシャレにキメて、甘えんぼで初々しくてジト目が印象的なソラが愛らしい。きめ細やかなキャラ描写は「きらららしい」可愛さの源。
素敵なお話だったな・・・ビーチコーミングという趣味を通して、色々な綺麗なものを見せてもらって、そして最終話で浣腸を投げ合うのめちゃくちゃ最高でした。そういうところですよ。情緒はあれどどこか格好つかない人々が愛しすぎる...
人造人間のくるみを中心に個性的な面々が繰り広げる、ハイテンションコメディ。強くデフォルメされた絵柄が大変可愛らしく、全編通じて作者のポップなデザインのセンスがなんとも魅力的です。内容も毎回予想の外から飛んでくるユニークなアイデアにあふれており、軽妙でくだらないトークや、破天荒なくるみの改造など、作品のペースにどんどん巻き込まれてしまいます。ストイックな会話劇の面白さを存分に堪能できる作品。アンドロイドモノとしてのSF観が随所にあるのも楽しい。
ついに明らかになる千代田桃とせいいき桜ヶ丘の過去、そして読者に強烈なインパクトを残した那由多誰何。小倉しおんに関する真相の開示も併せて非常にカロリーの高い巻となっているが、この幾重にも重なったドラマと謎の重厚さこそが読み味。読み終わってから見ると表紙の見方も大きく変わる。物語が進めば進むほどさらに深みを増していく構造に引き込まれること間違いなし。
段々明らかになる世界の仕組み。そして桃の過去。桃の過去は壮絶であり、悲愴であり、初見ではショッキングですらあった。だが同時になぜ桃は初対面のシャミ子に食べ物を施したのか、なぜうどんに思い入れがあるのか。おそらく連載初期時はまったく考えもしないで入れたネタを6巻巻末エピソードで特大の意味づけをしてくるのである。6巻を読んだ後ではもはや1巻のねぎとろデニッシュを見ても笑いより涙が出てくるのである。
これまでの話は後藤ひとりに焦点が当たる事が多かったですが前巻終盤で結束バンドの実力を指摘されたのに対して「結束バンド」として共に進んでいく事を明言した事もあり、この巻では山田リョウのスランプ、喜多ちゃんの悩み、伊地知虹夏の頑張りといった様に結束バンドのメンバー全員にスポットが当たっております。勿論、要所要所で見せるキレッキレのギャグも健在でストーリーにより深みを出していると思います。
普通の人間の少女まいがとつぜん魔王の娘ミラと家族と同居することになるというストーリー。2人が最初はぎこちなさを見せながら、段々と家族として心の距離を詰めて行って、その積み重ねた過程があってこそ、胸にくるラストだったと思います。また、同級生たち(勇者や魔界の関係者)や、いかつい見た目のキャラもみな2人を見守っていて、家族の温かさが心身に沁みます。
最初からありましたよと言わんばかりに、あまりにも自然で似合い過ぎたキャッチフレーズが、この作品に付いている。「今週末の楽しみ方4コマ」というものだ。その文句の通りこの漫画では、大人子供も関係なく、ただ撮影にまつわる遊びの限りを尽くす。…正確には遊びではなく作中漫画の取材協力のためなのだが、これがなかなかどうして、楽しそう以外の感想など湧かない。これは例えばの話だが、ブログやSNSで、旅行先の絶景とか、美味しそうな肉料理だとか、そういった写真や動画を見てうらやましくなるのと同じ感情を抱くのだ。今週末の楽しみ方は無尽蔵である。今後もシネフォト研究部および秋山春乃の「取材」に同行し、隙あらば真似したい。
「魔法使いが昔いた」ことを売りにする島を舞台にした4コマ作品。島へ引っ越してきた「あむ」が島に馴染んでいく様子をコミカルに描きつつ、次第に「観光街としての島」「夢と魔法の島としての島」という二つの側面からの現実があらわになっていくというファンタジーとしての物語性も強い作品になっています。 この作品の素晴らしい点はなんといってもそのミュージカルパート。4コマであるのに、どこからかその軽快なリズムと楽しそうな声が聞こえてくるような描写には、読むたびに心躍ってしまいます。 1巻としての構成もとても良く、少女たち一人一人が島で紡いだ「魔法」が集約するクライマックスは圧巻の一言に尽きます。
大好きなるかにゃんのスピンオフ作品で初めて連載をスタートさせたかおす先生。それに続くようにして今巻では女子寮のみんなにもまんが家として新たな転機が訪れます。 ゲスト掲載からなかなか本連載に結びつかずもがく美姫の決心、いつでも明るいくりすが内に秘めたコンプレックス、ルームメイトでもある後輩組ふたりのエピソードは「まんが家まんが」としての『こみっくがーるず』の骨太さを感じさせます。
表紙を飾った秋月紅葉と日向夏帆が最高にキてる7巻目。スティーレ内の色んなイベントで楽しみながら、バカップルぽくありながら初々しい苺香さんとディーノの関係や美雨さんとひでりくんの言葉に出来ない超いい関係。色んなものが殴りかかってきながらも見てて心地よいラブコメ日常四コマ。
デフォルメの利いた頭身から繰り出されるスピーディーなプロレスアクションとわちゃわちゃハイテンションギャグのハイブリッドきらら4コマ。試合シーンでは1コマを複数画面に分割したり、コマの縦の大きさを変えたりして技の動きやテンポを魅せており、「アクションを魅せる」ことに貪欲でチャレンジングな4コマ作品ですね。メイン作画を交代した単行本描き下ろし『ノムらりあっと?』も必見。
何かワケあって美大に行きたい女の子一宮このみと、入居したボロアパートに住みついていた妙に美術に詳しい幽霊の六条さんが出会い、美術の知識を日々深めていく作品。幽霊といってもいろんな人に見えてたりするので主人公以外とのやりとりもあり楽しいです。美術を学ぶ女の子の4コマは他にもいくつかありますがこれはまた独自の路線を行く感じで、この1冊だけでも美術に関する情報量がとにかく圧倒的。勉強になる漫画ランキングに入っていてもおかしくない作品です。
きららMAX中興の祖、そのフィナーレ。大学生編の他、本編では描かれなかった高校時代のエピソードも収録されている。明るく面白いきんモザワールドは最後まで変わらず、圧倒的な輝きを見せる。何かとアヤヤが可愛い。
今年の祝アニメ化決定第2弾。きららでファンタジー作品のアニメ化は本当に珍しく、発表された時には本当に「まさか」の反応でした。RPG世界での不動産会社を経営する女の子たちの物語で、ファンタジーならではのクラスやモンスターたちに向けての物件紹介がとても面白い。同じくファンタジー世界での不動産業を描いて一足先にアニメ化された「ドラゴン、家を買う。」との比較も面白いところです。が、こちらはなんといってもきらら4コマ。やはりかわいい女の子たちは正義。それとぱんつ!パンチラ! これはアニメ化しても絶対実現してくれ!
こーまちこまち陰キャ姫!以前に比べて陰キャ度は下がってきたものの、元のステータス値が高過ぎたので、ずっと見ていないと俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。というレベルの小町さん。補習を受けたり、昔金で味方につけた女の子と遭遇したりと、今回も傍から見るとそうでもないんだけど陰キャとしては波乱万丈です。小町さんの今後はどっちだ。後、高山萌のストーカー気質の改善の方向性もどっちだ。
リーチャちゃんかわいい~16世紀では見てもらえなくても今はファンがいる...そしてその絵は人を動かす力があるんだなという事実があまりにも温かいですね。レンさん格好良かったな...そしてちゃんとリーチャの絵を見てくれる人がいる...即売会、暖かい場所...色々終わった上で特に16世紀に戻るようなこともなく、ただただこの日々が続いていくんだろうなと思うととてもいい気分ですね。今後も楽しく絵を書いておくれ...
この漫画のポジションは本当にカッコいい。4oty新刊部門にて過去に最上位に来た作品を見てみると、どこか新しさを持っている作品が多いと言えます。この作品は保守的な作風なので、そういった意味では4otyの最上位に来ることはないかもしれません。しかし、この作品は決して旧態依然としている訳ではなく、「環境が変わって眠れない」という しずねの悩みをいつも話の真ん中の方に据えることで、「ままならなさ」を抱えた人をメインにする、 現行の4コマ漫画シーンにある作品らしさを獲得しています。 4コマ漫画フリーク達の中に革新性を求める潮流がある中で尚、私にはこの作品がオールドスクールの良さを次の世代に継承する使命を負っているように見えます。
頑張りたいけど頑張れない、そんな人に寄り添ってくれる稀有な作品。本作品は「人間へたくそ青春コメディ」を銘打っており、その名の通りコメディとして十二分に面白いのだが、一方で留年という事実は課題として重くのしかかってくる。この作品は、人間のどうにもならない部分を虚飾せずにあるがままに描いている。問題は簡単には解決しないし、明確に前に進んでいる感じもしない。人間下手くそを自認する読者にとって、そんな人間が描かれていること自体が救いである。
人間として生きていく上で大事な何かが、何の理由もなく悉く欠落していて、それ故に高校で留年してしまった少女・穂波殊。真綿で首を締めていくような日常の中で、友達の存在すらも決定的な救いにはならないけれど、それでもサヴァイヴしていくしかない。『またぞろ。』の世界観は、透徹した冷たさと、間違った人間の物語を長い目で見届けるやさしさによって出来ています。ここまで容赦のない物語は、倒す敵など存在しない「日常」という檻の中でこそ生まれるのであり、『きらら』最大の異端でありながら、『きらら』でなければ生まれえなかった奇書と言えるでしょう。
『恋する小惑星』は「地学部」の物語である、ということをまじまじと見せつけられた様な気がするのが『恋する小惑星』の4巻でした。前巻ラストで「地学部は宇宙みたい」を体現するかのような文化祭回からの新部長による「廃班置研」宣言。本当の意味で1つになった「地学部」と成長した新部長による「これからの『恋する小惑星』」を予感させる序章みたいな1冊だったと思います。
1巻から引き続きいつバレるのかとかヒヤヒヤしていた綱渡りもついに完結です。面白かったな...えっ最終話それでいいんですか!?最高です!!相変わらず命が軽い。こんなに倫理観も何もなさそうな世界でも信頼って生まれるんだという感動がありました。そしてどんなに長くお話が続いても、きっとこういうそれでいいの!?みたいな最終話だったんだろうな、と思います。魔王は倒された
キャラクターの線が丸っこくて非常に可愛らしい絵柄……とは裏腹に倫理観が逸脱したキャラクター達によるコメディ漫画です。主人公たちはピクニック同好会という謎のグループを結成しており「ぽかぽか」を求めて学校の行事(賞金が出る)に参加したり、生徒会に立候補(選挙法違反)したり、孤島でサスペンスが始まったりと現在のきらら連載作品の中でも次の展開が全く読めない非常に尖った作品となっております。作品に色を添える担当編集の柱コメントも収録されており、落ち込んだ時に読んで笑って元気が出てくる様な気がするまさに「令和の萌え」(公式)です
リベットちゃんとの出会い、文化祭、そしてサクラバ所長の一件を通じ、翔子先生が【一人前の先生】としての姿をしっかりと見せた完結巻でした。最後の物語の締め方まで印象に残りました。『しょうこセンセイ!』は癒し・・・でも、それだけじゃない魅力も沢山詰まっています。
「今年も無事に開幕できてよかった」。最終回の某所に出てくるセリフの一節である。密集やら飛沫やらがすっかり悪となったこの時代、野球観戦界隈も大変な状況となっても、それがまた出来るという素直な喜びが見られる。作者様も同じ事を思い、様々な気持ちが渦巻いた上で例のこのご時世を作中に描写したのかもしれない(※現実の野球史を元にしている作品だからご時世も描いただけでは?、と言ったら身も蓋もないが…)。タマたちの観戦の日々をユーモラスに描き続け、たくさんの笑いを提供してくれたこの作品に、感謝。今後もゆっくり読み返します。
オタク活動はバラバラでも、5人それぞれアイドルグループとしての役割がしっかりしており、誰一人として欠けてはならない。それがカラフルリウムだ!!!5人それぞれの視点で成長が描かれているところが特に良い。
「銀塩カメラ」ことトイカメラがテーマの本作。二組の姉妹の片割れの、姉同士・妹同士が知り合うことで始まる、不器用な人々の人間模様を繊細な筆致で描きます。今と違う過去の風景、遠く離れた場所、そしてファインダーの向こう側……こうした時間や場所の距離をふわりと超えてゆくような、どこか神秘的も思えるカメラの魅力の描き方が非常に良い。フィルム写真のようなどこかノスタルジックな暖かさが、じんわりと心に染み渡る作品です。
まんがタイムきららにおけるヒロイズムを洗練させていった最前線には記憶を巡る変身巫女という作品があった。作品主題として直球に「悩める者の救済」が据えられており日曜日の朝の変身ヒーロー番組だったとしても全く相違の無いクオリティだったと思う。惜しくは作者事情で1巻完結になってしまった点であるが、是非作者にはまたまんがタイムきららで作品を描いて欲しいと個人的には思う。
愉快な登場人物たちが織りなすRPG風冒険譚、最終巻。魔王の復活など陰謀渦巻く世界観が見えてきた……と思いきや、登場する人々は皆なんだかお人好し。作品ののんびりした空気感に胸が温まります。一方、1巻でも読者を驚かせるほどに卓越した4コマでの激しいバトル描写は今回ももちろん健在。この静と動の同居した独特のテンポ感には惚れ惚れします。単行本おまけの4人パーティでの雰囲気も非常に良かっただけに、まだまだこのパーティの冒険をこの目で見たかった……!
因縁のある女が転校してくる展開に女と女の関係性を断固としてやる意志が感じられ、惹きつけられて止まないですね。ある事件が発生したことでどうやら歴史をなぞっている事が判明し、関東大震災が迫ってくる予兆として十分なものがあります。歴史ドラマとしての背骨を現し始めた紡ぐ乙女と大正の月のこれからにも目が離せません。藤川紡のほっぺむにむに
新入社員からいろいろな困難を乗り越えて青葉の夢も叶えて大団円。現実的な部分を含めたお話は読者を飽きさせずとても惹きつけられました。あと最初の同じブース4人で温泉に行くのが感慨深く感じました。一冊まるごと描き下ろしたり、月2本連載で前後編で連載したり、青葉パート、コウパートと分けたりと驚異のスピードで走り抜けた8年間お疲れさまでした。
自分たちで作ったロケットで宇宙へ行くという壮大な夢を抱く少女たちの奮闘を描く、きららで無印の言わずもがなの最強作品。2巻からは技術面を補う雷門瞬がメンバーに加わることで本格的にロケット研究同好会が始動し、それゆえに夢想だけでは届かない「現実」の世界の厳しさ、痛みの部分も克明に描かれます。辛さ苦しさの伴う世界のなか、挫折を味わいながらも立ち上がり夢へと近付いていく彼女たちの挑戦に目が離せない一冊です。
荒井チェリーのかわいさの中に勢いをブチ込んでくる手法本当に好きです。 2巻でも主人公倉石さんのクズポンコツ精神度は上昇しており好き一生愛でたい。 薗部姓の女が出てくるんですけど三者三葉と変わらずなの笑っちゃいますね、お花畑にひとつまみの邪悪を振りまくの最高です。
オタクで冴えない主人公と、スクールカーストの頂点に立つ少女のシチュエーション・ラブコメディ。どちらかというと男女ラブコメでありそうな設定から、芳醇な百合を生み出しているのが本作です。「住む世界が違う」と思っていた相手が「同じ人間」であることに安堵したり、逆に意外な弱みにドキドキしたり……といった作劇は、主役とヒロインが同性であるが故に更に映えます。前作『どうして私が美術科に!?』でも魅力的だった、きらびやかな画風と頭の柔らかさを感じさせるギャグもますます切れ味を増し、長く見守っていきたい作品に仕上がっています。
ゆるゆる暖か日常コメディの9巻。ついにアレをカミングアウトした花名だったが、その後も日常は変わらず緩やか。億や兆野も加わって、生徒会役員の補佐として奔走する。更に四天王の家族も加わって、賑やかな文化祭に思わず顔が綻ぶ。表紙に騙されてはいけない。
相変わらずぐうたらなナルさんとしっかり者のユキ、彼女たちの周りのキャラ達。そんなほのぼのとした日常生活、しかしその裏に潜む陰影が刻々と忍び寄る──面白くほのぼのとした作品ではありますが、常に緊張感を持たずに読まずにいられない、そんな二人の日常。先の展開が非常に気になります。
世界よ!これが新世代ハーレム百合4コマだ! ということで、授業に恋愛という項があるという、超ドレッドノート級の変則手ながら、それがきちんと形になって、ハーレムラブコメを送り出す形になっている、きららMAXのキングダム、カム・・・(百合時代、来たれり)といっても過言ではない一作です。きっちりラブコメとして面白いのも地味ですが重要ですよ!
タイトルの通り、バードウォッチングの楽しさに溢れた作品。 まず作者さん自身がバードウォッチングを好きだというのが、作品から伝わってきます。 そしてこの作品、主人公すずが一から鳥見の何たるかを知っていく話なので、 読者も一緒になって鳥見の色々を知れるようになっていますが、 それだけでなく、すずの「絵に個性がない」という悩みが解決する過程も1巻で綺麗にまとまっており、 物語としてもちゃんと楽しめるようになっているのが秀逸です。 さらにはコマぶち抜きの使い方や視線誘導等、漫画の表現技巧自体も見るべき点が多くあり、 これは推さない訳にはいかないと思いました。
もう12巻で安定しつつ、かといってネタ切れする訳でもなく続いています。ゆゆ式はネタや会話は独特な一方、4コマ表現としてはコマの外にふき出しが出ることもほとんどないくらいオーソドックスで、だからこそその枠の中で繰り広げられる会話や行動が引き立ちます。 きららの雑誌全体を見ると、ゆゆ式のような安定した作品があるからこそ、実験的な作品が出ても安心して読んでいられる感があります。
仙台のとある高校の鉄道部の女の子たちの可愛くも楽しい部活動もここでいったん終点。2巻で東京に行ったりもしたが、基本仙台周辺での等身大な鉄道活動は3巻も同じく。行ってみたいな、とか乗ってみたいな、とか彼女たちの追体験を思うままにできてしまう。仙台が地元の者ならニヤリとしてしまう小ネタも。
現代日本を舞台に、妖怪に戸籍を与えて妖怪たちの生活をサポートする怪異戸籍課ではたらく女の子のお話。私も洗濯を通して現代日本に住む妖怪たちの生活をサポートするようなお話を描いているので、妖怪ひとりひとりをどうやって手助けするか、妖怪たちがどうやって生活しているかということを描いているこの作品は個人的にかなり親近感がわいてしまうというか、どのエピソードも興味深く楽しく読ませていただいています。丁寧な設定のお話も、4コマで見やすい程よいデフォルメ感のある作画もかわいくてとても魅力的。これからの展開も楽しみな作品のひとつです。

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