「仕事上言わなくていいことをつい言ってしまう男」というキャラクターの空回り型な熱血っぽいところや、余計なことをつい言っちゃうのに憎めないあたりが、もうキャラクター造形の妙というか、もうこのキャラを造った時点で勝ちなのでは…と感じてしまいます。そして脇を固めるキャラたちもまたうまく造っているんだこれが。気になる特徴がみんなにあってそれもまた面白い。
「本と書店を愛するすべての人へ(帯文)」。様々な書店に勤める様々な書店員さんたちが、それぞれの日常の中で想いをつづるお話。ある書店の女性はいろんな作者のいろんな本を売ろうとポップ書きやコーナーづくりを頑張りつつも、当てが外れたり開き直ったりする様子が面白い。また作家志望の書店員さんの複雑な思いやら、花屋の隣にある本屋さんの女性と花屋さんとの関係やら、古本屋の店主のこだわりなどなど、様々な書店の人々による日々の言葉の連なりが可笑しかったりしみじみしたりと、上質に楽しませてくれる作品になっています。
ものぐさながらもなんだかんだで後輩思いのずぼら先輩と、常識人のようで割と暴走しがちなまじめちゃんの組み合わせがいい感じ。 ボケ要員の先輩とツッコミ役の後輩・・・と見せかけて実は2人とも違うベクトルでトンデモ行動をしているのがこの作品の面白さですね。
ローファンタジーな世界観の中、作中の洗濯知識はガチなこの作品も、もう4巻。 まずはそれだけやってて洗濯ネタがまだ尽きていないあたりが、凄いと思います。 一方のファンタジー要素も、実に多彩なお客さんが来る事で、さながらあやかし図鑑なてんこ盛り具合。 そんなお客さんと鬼桐さん・茶子のやり取りに、笑わされたりほっこりさせられたり。 さらには茶子が大学卒業後も洗濯屋鬼桐を手伝う決意をするなどエモい話もあり。 何かが無茶苦茶グサッと刺さるような作品ではないのですが、何となくこの心地よさに浸りたくなります。 なお今回4巻では、話と話の間・おまけページのイラストが結構じわっと来ました。 「うしろから、となりへ。」とか、茶子が魔王くんを膝枕していたりとか。
昼は虚弱、夜はハッスル。まるで吸血鬼のような体質の警察官・黒影夜子と村の人々との交流をコメディタッチで描いた作品です。夜子以外にもくノ一女子高生や目立ちたがりの村長などの突拍子もないキャラが出てきますが、不思議と作品内では地に足がついた存在になっています。これがあるのでコメディと人情話を両立できた作品になっているのです
今回って、「奥さまはアイドル」という原点回帰的な話作りが見えることもあれば、まゆりちゃん達のフリートークで一話描いてみせる実験的な話作りをしたりとか、ここに来てなにかを変えていく探求心的なものがあるのがすごいなと。
ご当地物の新作ですが、主人公の魅力が強くて気に入りました。魅力度ランキング最下位からの脱出を目指して奔走する主人公と、それを支える親友。茨城の魅力をたっぷりと紹介してくれる所と、ギャルなのに真面目で思いやりに溢れる主人公の描き方が秀逸だと思いました。
実態があまり見えてこないフィギュア原型師の仕事ネタから一癖も二癖もあるキャラクターを動かして繰り出されるコメディと多角的に描いて来ています。こるりちゃんと半藤がほんのりラブコメ空気を出してきてそれをひたきが後押ししたりと新たな楽しみなシチュエーションが出てきてますます目が離せなくなってきています。
大好きなるかにゃんのスピンオフ作品で初めて連載をスタートさせたかおす先生。それに続くようにして今巻では女子寮のみんなにもまんが家として新たな転機が訪れます。 ゲスト掲載からなかなか本連載に結びつかずもがく美姫の決心、いつでも明るいくりすが内に秘めたコンプレックス、ルームメイトでもある後輩組ふたりのエピソードは「まんが家まんが」としての『こみっくがーるず』の骨太さを感じさせます。
今年の祝アニメ化決定第2弾。きららでファンタジー作品のアニメ化は本当に珍しく、発表された時には本当に「まさか」の反応でした。RPG世界での不動産会社を経営する女の子たちの物語で、ファンタジーならではのクラスやモンスターたちに向けての物件紹介がとても面白い。同じくファンタジー世界での不動産業を描いて一足先にアニメ化された「ドラゴン、家を買う。」との比較も面白いところです。が、こちらはなんといってもきらら4コマ。やはりかわいい女の子たちは正義。それとぱんつ!パンチラ! これはアニメ化しても絶対実現してくれ!
リベットちゃんとの出会い、文化祭、そしてサクラバ所長の一件を通じ、翔子先生が【一人前の先生】としての姿をしっかりと見せた完結巻でした。最後の物語の締め方まで印象に残りました。『しょうこセンセイ!』は癒し・・・でも、それだけじゃない魅力も沢山詰まっています。
新入社員からいろいろな困難を乗り越えて青葉の夢も叶えて大団円。現実的な部分を含めたお話は読者を飽きさせずとても惹きつけられました。あと最初の同じブース4人で温泉に行くのが感慨深く感じました。一冊まるごと描き下ろしたり、月2本連載で前後編で連載したり、青葉パート、コウパートと分けたりと驚異のスピードで走り抜けた8年間お疲れさまでした。
現代日本を舞台に、妖怪に戸籍を与えて妖怪たちの生活をサポートする怪異戸籍課ではたらく女の子のお話。私も洗濯を通して現代日本に住む妖怪たちの生活をサポートするようなお話を描いているので、妖怪ひとりひとりをどうやって手助けするか、妖怪たちがどうやって生活しているかということを描いているこの作品は個人的にかなり親近感がわいてしまうというか、どのエピソードも興味深く楽しく読ませていただいています。丁寧な設定のお話も、4コマで見やすい程よいデフォルメ感のある作画もかわいくてとても魅力的。これからの展開も楽しみな作品のひとつです。

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