ある意味4コマ界の異端児的なセカイ系作品。『少女終末旅行』から脈々と続く、明晰夢のように現実で非現実的な世界観ですが、物語の中で変貌する世界がまさに登場人物の感情の表れであると捉えて読むと、さらに世界に奥行きが生まれてくる気がします。
マンガはどうしても型にはまりがち。「宇宙人が転校してきた」と始まったら、その宇宙人がなんだかんだと情にほだされ、友情を紡いじゃうのが定番でしょう。ところがこの作品そこらへん結構ドライで、宇宙人はあくまでも「異物」のまま無理矢理クラスに溶け込み、主人公を振り回す日々を過ごす、という。それでいてブラックな…不道徳なテイストではなく、あくまでものほほんと平和。SF的な設定もあれこれ盛り込まれ、藤子・F・不二雄作品(『モジャ公』あたり)に近いテイストです。

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