旅行編が完結し、木組みの街に戻ってきたココアたち。チノたち中学生組はもう高校生で、リゼも大学生になりました。旅先で知り合った新たな顔ぶれの面々なども交えて、第二章開幕といっても過言ではない新しい春がこの巻からスタートしています。新たな出会いと、仄かな別れの予感。積み重ねた過去の重みと、未知への期待。刺激に溢れたごちうさ世界は常に進化を続けており「常に今が最も面白い作品」です。
これまでの話は後藤ひとりに焦点が当たる事が多かったですが前巻終盤で結束バンドの実力を指摘されたのに対して「結束バンド」として共に進んでいく事を明言した事もあり、この巻では山田リョウのスランプ、喜多ちゃんの悩み、伊地知虹夏の頑張りといった様に結束バンドのメンバー全員にスポットが当たっております。勿論、要所要所で見せるキレッキレのギャグも健在でストーリーにより深みを出していると思います。
『恋する小惑星』は「地学部」の物語である、ということをまじまじと見せつけられた様な気がするのが『恋する小惑星』の4巻でした。前巻ラストで「地学部は宇宙みたい」を体現するかのような文化祭回からの新部長による「廃班置研」宣言。本当の意味で1つになった「地学部」と成長した新部長による「これからの『恋する小惑星』」を予感させる序章みたいな1冊だったと思います。
自分たちで作ったロケットで宇宙へ行くという壮大な夢を抱く少女たちの奮闘を描く、きららで無印の言わずもがなの最強作品。2巻からは技術面を補う雷門瞬がメンバーに加わることで本格的にロケット研究同好会が始動し、それゆえに夢想だけでは届かない「現実」の世界の厳しさ、痛みの部分も克明に描かれます。辛さ苦しさの伴う世界のなか、挫折を味わいながらも立ち上がり夢へと近付いていく彼女たちの挑戦に目が離せない一冊です。
もう12巻で安定しつつ、かといってネタ切れする訳でもなく続いています。ゆゆ式はネタや会話は独特な一方、4コマ表現としてはコマの外にふき出しが出ることもほとんどないくらいオーソドックスで、だからこそその枠の中で繰り広げられる会話や行動が引き立ちます。 きららの雑誌全体を見ると、ゆゆ式のような安定した作品があるからこそ、実験的な作品が出ても安心して読んでいられる感があります。

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