SkipStepingさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2021!
またぞろ。 (1)
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幌田 |
芳文社 |
2021-04-27 |
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瑠東さんには敵いません! (1)
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相崎うたう |
芳文社 |
2021-09-27 |
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しあわせ鳥見んぐ (1)
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わらびもちきなこ |
芳文社 |
2021-10-27 |
この作品の特筆すべきはなんと言っても4コマ表現の上手さ!連続して上下方向の視線移動を求める4コマ漫画の特性を最大まで活かし、天から地まで縦に広がる鳥の世界をまるで映像のような臨場感で描き出します。
また、鳥見をする上で「見る側/人間」と「見られる側/鳥」の間に発生する圧倒的に不均衡な力関係・加害性から、時には人間の生活や眼差しを利用しながら生きている鳥の生態まで、鳥を見るという活動の齎す功罪に触れながら"人間と鳥が共に生きること"に真摯に向き合っていくストーリーも非常に魅力的。鳥を見る視線の在り方を通して表現者である主人公・すずの求める「自分の色とはなにか?」というテーマが結ばれていく一巻終盤の展開には感服でした。 |
ぎんしお少々 (1)
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若鶏にこみ |
芳文社 |
2021-07-27 |
2つのそれぞれ離れた場所で暮らす姉妹が片割れ同士──塩原もゆると藤見銀、塩原まほろと藤見鈴のペア──で交流を深めていく、という少々珍しい形式が特徴的。ふとした言動に出てくる姉妹の影響や、関係性の深さ・組み立て方によって幾様にも変化し得る部分的なコミュニケーションの理解度など、多層的に描かれる「キャラクターの関係」がとにかく面白い一品です。
そしてそれを駆使して表現されるキャラクターたちの実在感もすごい!なんとなく「ある」会話、なんとなく「ある」言葉選び、なんとなく「ある」振舞い、なんとなく「ある」風景──そんななんとなく「ある」日常の切り取り方が本当に上手く、気付けば彼女たちが本当に現実に生きているような錯覚を覚えてしまいます。
前作・放課後すとりっぷと同様に複雑な人間関係を描く作品ゆえ誌面で読むにはかなりテクニカルな作品ですが、単行本で読むと極めて上手くまとまった傑作だということがわかると思います。放課後すとりっぷでも炸裂していた多くを語らずとも呼吸を忘れるような重さを纏う高湿度のモノローグも健在。
あと、この作品は紙の単行本の表紙の手触りがめちゃくちゃ良いです。マジで良い。作品の雰囲気の上品さと相まって単行本1冊単位でのコレクション性が非常に高いので、紙で買うのがオススメです。 |
ホレンテ島の魔法使い (1)
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谷津 |
芳文社 |
2021-02-25 |
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