kawada0zoさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2021!

ずぼら先輩とまじめちゃん (1)
東385
竹書房
2021-07-27
タイトル&表紙の印象のまま、「ずぼらな人あるある」を核にして、そんな先輩に振り回されながらも世話を焼く真面目な後輩の姿を描いたマンガ……とは言い切れないのだった。なんといっても、まじめちゃんが結構な 変人なのがカギ。ツッコミ役あるいはブレーキ役のはずが、妄想その他を暴走させて事態を更に混乱させることがしばしば。その他の登場人物もアクが強く、ベタなようでいて予想外の面白味を見せてくれます。
しあわせ鳥見んぐ (1)
わらびもちきなこ
芳文社
2021-10-27
作品としてはもちろんバードウォッチングが「主」なんですが、主人公にとっては絵こそが「主」でありバードウォッチングはそれに寄与する「従」という位置付けなのが面白い。趣味が主題のマンガは多々ありますが、こういう割り振りは珍しいのでは?(主人公が豆腐屋として成長する『頭文字D』とか、釣り船の手伝いに熟練する『はじめの一歩』みたいなもの) それでも物語は複雑にならず、もちろん破綻もしていないことに作者の力量を感じます。
妖こそ怪異戸籍課へ (1)
柴朗
芳文社
2021-11-26
妖怪(モンスター)の日常を描くマンガは色々ありますが、この作品は主人公が「日常を提供する」側だというのが特徴。「無戸籍の妖怪の戸籍を作る仕事」という一見しただけでは「???」となる設定ですが、本編では段取りが巧くすんなり理解できました。登場する妖怪が絶妙にマイナーで、目新しさと納得感とを合わせ持っているのも上手い。今どきの「きらら」系の常で、終盤にはちょっと劇的な山場も用意されています。見え見えの伏線に気付かなかったのが悔しい!
宇宙人ちゃん通学中
新盤
徳間書店
2021-07-13
マンガはどうしても型にはまりがち。「宇宙人が転校してきた」と始まったら、その宇宙人がなんだかんだと情にほだされ、友情を紡いじゃうのが定番でしょう。ところがこの作品そこらへん結構ドライで、宇宙人はあくまでも「異物」のまま無理矢理クラスに溶け込み、主人公を振り回す日々を過ごす、という。それでいてブラックな…不道徳なテイストではなく、あくまでものほほんと平和。SF的な設定もあれこれ盛り込まれ、藤子・F・不二雄作品(『モジャ公』あたり)に近いテイストです。
未選択

kawada0zoさんの既刊部門4コマオブザイヤー2021!!

Aチャンネル (11)
黒田bb
芳文社
2020-12-25
「日常系」の歴史の節目というべき完結。なにせ本作、部活なり趣味なりの核となる要素が無く、突飛なキャラも無く、これという事件も無い、まさに「日常系」なのでした。今後、少なくとも商業ベースではこうした作品は世に出ないでしょう(開始があと5年遅かったら、トオルは金属バットを振り回すメンヘラ主人公のままだったかも?)愛すべきキャラたちの、そんな日常を10年余積み重ねた上で時間が動き出す。いわゆるサザエさん時空だったのが、進級を経て、本巻では大学受験そして卒業を迎えるのでした。なぜ時が動き出したかの説明は無く、ただ日常の先にライフイベントを迎える……。これがまた節目の印象を強くしているのかもしれません。
クレオパトラな日々 (4)
柳原満月
竹書房
2021-03-17
ネタバレ:クレオパトラ死亡。…カエサルの死後、いよいよもって世に知られる「悪女」然となるクレオパトラですが、本作はそうした史実から逸脱することなく、しかし誇り高く、聡く、そして可愛らしいクレオパトラを描いています。それをシリアス一辺倒のストーリーマンガではなく、お笑い混じりの4コマフォーマットでこなしているのが凄い。最後の最後は「お前がおいしいとこ持ってくのかよ!」も含めて、心地よい余韻を残してくれます。
だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん! (3)
佐野妙
竹書房
2021-07-27
去年の新刊部門のコメント、「ご当地マンガの新スタンダード」というのはちょっと持ち上げかなと内心思っていたのですが、本当に新スタンダードの地位を確立しちゃいました。豊橋のポテンシャルを嫌味なく引き出していて、また当地を訪ねたくなる作品です。地元との関係も良好なようで、競輪とのコラボという意外な展開も。ご当地もの故に、作者の力量以外の部分でネタ切れの不安はどうしてもありますが、長く続いて欲しいところ。
意味がわかると怖い4コマ(2)
湖西晶
双葉社
2021-07-15
「意味がわかると怖い話」に解答編を付けるというフォーマット、一冊目が出た時には随分とネガティブな感想がありましたが、それをものともしないヒット作に。かくて確立したフォーマットに載せての第2巻です。「怖い話」という基本を外すことなくアイデアは多彩、しかもそれぞれ4コマ1本に凝縮しているから、なんというかカロリーが高い作品。これで想定対象読者層は小学生で、そのあたりのバランス取りも何気に面白い。
まちカドまぞく (6)
伊藤いづも
芳文社
2021-02-25

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