mg_toHKRさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2021!
ぎんしお少々 (1)
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若鶏にこみ |
芳文社 |
2021-07-27 |
放課後すとりっぷでデビューした若鶏にこみ先生が帰ってきました!今作、ぎんしお少々はフィルムカメラを主軸に据えたガールミーツガールといった印象ですが、このガールミーツガールは"この題材でなければ成立しなかった"であろう、という意味でとても完成度の高いものになっています。また、1巻以降の物語は続いていきますが、この1冊だけ見た時に物語としてとてもきれいにまとまっているのです。
この物語ではまず主人公であるもゆるさんと銀さんが出会い、一方でそれぞれの姉であるまほろさんと鈴さんも奇しくもほぼ同時に出会い、それぞれの人間関係が進んでいく、というちょっと不思議な人間関係が描かれています。もゆるさんと銀さんとの出会いは桜の下で撮られた一枚がきっかけでした。銀さんはこれを消してくれともゆるさんを追いかけ二人の邂逅となったわけです。銀さんとのつながりを喜ぶもゆるさんと、そしてそういう流れで会話を重ねていく中で生まれていくすれ違い、前作放課後すとりっぷの魅力であった点ですね、こういうすれ違いの中でもゆるさんは銀さんを避けるようになります。そして冒頭の写真が現像されたときにもゆるさんは銀さんに向き合う決心をするのです。この現像までに、すなわち撮影した写真を確認するまでに時間がかかる、という点がフィルムカメラの特徴だと思います。もしデジカメだったらその場で全て確認出来てしまいます。こうしてもゆるさんが写真を確認するまでに、写真の中の銀さんに思いを募らせる時間は存在しなかったわけです。そして向き合う決心はこの時間がなければ、そもそも銀さんとの人間関係もまたこういう都合がなければ成立しなかったのではと思います。フィルムカメラであったからこそ、この二人は人間関係を始める事が出来たのです。
そしてこのエピソードは最初の3話程度の内容なのです。これ以降も物語は続いていくわけで、そしてその至る所でこういったフィルムカメラならではの良さが、そしてそれ故に発展していく人間関係が描かれます。1巻の多くを通して見ると銀さんともゆるさんはまだ”友達”という関係ではないかもしれません。基本的に銀さんはもゆるさんを警戒しています。しかし1巻の最終話を読むと、「ああ、この二人は”友達”になったんだな」という実感があります。そしてそのために必要だったピースもまたフィルムカメラが埋めてくれるのです。このきっかけの1つに銀さんの双子の姉である鈴さんとの確執の解消がありました。この二人の確執は過去に起因するものでしたが、この過去を現在に繋ぎ、二人の確執を氷解させたのは1枚の写真でした。鈴さんに置いて行かれてしまったと感じていた銀さんが、鈴さんもまた自分と一緒で自分との思い出を大切にしていると知ったことは、過去を呼び起こせると知ったのは、そのたった1枚の写真の力です。鈴さんは仲良くなったまほろさんの趣味であったフィルムカメラを、思い出を宝箱にしまっておく事に共感を示し、自ら手に取り写真を撮りはじめます。また、銀さんもこうして写真の力を知り、自分がこれまでのもゆるさんと向き合ってきた経験から、ついにもゆるさんに何故写真を撮るのかを聞きます。もゆるさんもまた試行錯誤して言葉を紡ぎ、その返答は銀さんが鈴さんとの確執を乗り越える上で知ったものでした。こうして銀さんともゆるさんの二人は友達になるのです。
フィルムカメラではなかったら成立しなかっただろうな、という事や、今の人間関係は針に糸を通し続けて生まれた出来たんだという実感がとてもあり、今の状況はまさしく奇跡だなと思います。もゆるさんと銀さんが友達になるまでという部分を1つの区切りと見るなら、これが達成されたのが1巻最終話であるという点を踏まえると1巻としての完成度の高さに感嘆せざるを得ません。しかし、もゆるさんと鈴さんにそれぞれカメラを託したまほろさんがどうしてカメラに出会ったのか等、気になる点はまだまだ多く、2巻以降の物語もとても楽しみです!
素晴らしい人間関係を見せてもらってありがとうございます。また、前作に引き続き面白おかしい語彙や、独特のオノマトペも健在で会話劇もとても楽しいです。ぱきョーンって何???最高!!!そんな日常を彩る会話、そして不思議な縁が動かしていく日常を是非読んでください!!!!!!!!!!!!!! |
しあわせ鳥見んぐ (1)
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わらびもちきなこ |
芳文社 |
2021-10-27 |
とっても面白い漫画です!好きに出会い、それを形にするということはとても尊いことなのだと思います。コマの使い方がすごい綺麗ですね。圧倒されます! |
しずねちゃんは今日も眠れない (1)
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逸見 |
芳文社 |
2021-04-27 |
とても癒されて好きです!しずねちゃんの目のクマが大好きです。絶妙にキモかったり可愛かったり...そういう変なツボにも刺さりました |
六条さんのアトリビュート (1)
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セトユーキ |
芳文社 |
2021-03-26 |
学びのある作品とはすばらしいものだと思います。学びのために漫画を読むわけでは断じてないですが...
多くの人は美術というものにそれほどしっかり向き合ったことがないと思います。美術館に行っても、なんかすごいな、程度の感じでしかなくて、面白いんですけど、どこを見ればいいのかわからないというか。今作は六条さんから美術の歴史等が解説されたり、このみちゃんを通してそんなに多くの知識がなくても美術が楽しいということを伝えてくれます。多分よくわからなくても何かすごいな、で美術を楽しんでいいんだと思いますが、知識があるとまた楽しいですね。この漫画には参考文献がついていて、この漫画を読んでから興味を持って参考文献を読んでみたら以前より少しだけ美術に親しみが持てました。そういう読者の世界を広げるパワーのある漫画だと思います! |
はなまるスキップ (1)
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みくるん |
芳文社 |
2021-05-27 |
な、何!?何なんだ!!倫理観がない漫画大好き!!! |