TcE232_519_661さんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2021!
ホレンテ島の魔法使い (1)
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谷津 |
芳文社 |
2021-02-25 |
"ここは 夢と現の汽水域"、単行本の帯にあるこのキャッチコピーが本当にその通りである作品です。私が一気に引き込まれたのはやはり"ざんねん坂"の回でしたね、それまでもちらほら見えていたこの島の奥にある物が包み隠さずドンと出てきていて。これからこの5人が何を知り、その知識を用いてどういう結論に至り何を為すのか非常に楽しみな作品です。
演出という面で光るのはやはり歌でしょうか、折に触れて色々な歌が出てきてそのどれもが4コマの画面構成を活かしありありと読者に向かってきます。そして1巻範囲ラストのミュージカル!これまでの歌を練り上げつつさらに一つ大きなものとして纏められていて非常に良かったです。少々気の早い話ですがアニメなどのメディアでもみてみたい作品になりますね。
最後になりますが、"ごちうさ"が最前線を走っているきららMAXにこの作品が来た意味は本当に大きいと思います。日常系って言われがちな作品はえてして非日常的な側面を包含しがちですが、この作品はそこを意図的に入れて新たな境地に至ろうとしていると思います。なんとか大成してほしい作品です。正直なところ今回投票した10本の中で最推しの作品です。 |
またぞろ。 (1)
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幌田 |
芳文社 |
2021-04-27 |
ついに陰キャきららの系譜もここまできたかという感想を抱かざるをえない作品ですよね。主人公穂波殊はとにかく生きるのがへたくそで、ほかの留年生ふたりや阿野楓、そして2年生の2人や何より堤麻里矢も一筋縄ではいかなくて。そんな彼女たちの姿に強めに斬りつけられながらも読み進めずにはいられない、そんな作品でした。個人的には、無印に出張掲載された回のオチで竹屋先生がいかにもきららアニメのパブリックイメージに沿ったアニメをみながら「現実もこんなだったらいいのになあ」と呟くというのがエッジが効いているとともにこれまでのイメージを破壊して新たな地平を進んでいこうという気概を感じて好きです。 |
しあわせ鳥見んぐ (1)
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わらびもちきなこ |
芳文社 |
2021-10-27 |
とにかく4コマの画面構成の仕方が卓越している作品でした。上から下にと行き来する読者の視点を時に利用し、時に裏切る。可能な限り1ページ8コマを維持しつつ崩しどころはおさえる。そんな工夫が随所で光ります。もちろんお話も面白いです。 |
妖こそ怪異戸籍課へ (1)
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柴朗 |
芳文社 |
2021-11-26 |
戸籍という少々センシティブなテーマですが、それを妖怪という軸を入れることで扱いやすくしているというのは面白いなと思いますね。そして何より様々な妖怪にフィーチャーしていく個別回を重ねたうえで、主人公である山本睦子にいよいよ切り込んでいくという構成はやはり妙技と言えるのではないでしょうか。 |
はなまるスキップ (1)
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みくるん |
芳文社 |
2021-05-27 |
無法を働く異端児……と見せかけて実は骨太な面も光ってきている面白い作品です。現行連載の最前線だともっと面白いことになっていますが、1巻でもシェフ子回があるため選定に値すると思い投票いたしました。この作品にしかできないことを今後もやっていってほしいですね。 |