「意味がわかると怖い話」と4コマは想像以上に相性が良かった。サッと一本で読めて、スッとオチるショートショートの面白みがある。描き下ろし全56編、いずれも「怖い話」の基本からは外れず、しかし実にバラエティ豊か。大きな特徴が「解答編」の存在で、そのためミステリのテイストまで備えている。不条理オチや「ご想像におまかせします」が無く、「真実はいつも一つ」なのだ。
家族もの・部活ものに続いて今度は商店街ご町内もの。(人見知りでちゃんとしゃべれなくても)自分はこの商店街で生きていくと決めたんだ、っていうしのぶさんの思いが「自分の代で店閉めるから……」と思ってた他の店の店主を動かしたエピソードとか良いですよね。
「この町でいろんな縁がむすばれる!」このキャッチコピーがまさに本作を端的に表しています.年の離れた兄妹が引越し先の花丸町でおにぎり屋の花子さんと出会い,そこからいろんな縁が生まれていきます.実は登場人物たちは複雑な家庭事情を抱えているけれど,この町には愛と笑顔が溢れています.
2013年から連載されている本作も、作中では半年しか経っていない。読者が追いかけてきたこの7年間は、花名が友達に秘密を隠しながら過ごしてきた時間だったのだろう。大変だったね、がんばったね、花名ちゃん。「スロスタの主人公って栄依子でしょ?」とか言ってごめんね。
秘密がある事で友達に後ろめたさを感じ、打ち明ける事で関係が変わるのが怖いという心情が伝わりずっと苦しかった。不安や悩みを抱えたキャラはお話の都合上だいたい受け入れて貰える物なのだが、億さんが出てきてからはずっとハラハラし、最後の数ページからはずっと「良かったね」と言い泣きながら読んでしました。 花名ちゃんの秘密の告白を最終回に持って来ないのが良いですね。これから変わったようで変わらない学校生活を見ていきたいです。
名前の由来を探すため欧州各国を巡る海を待っていたのは、自分は空っぽな人間だという残酷な現実。けれど、彼女の存在は旅先で出会った人たちに新しい道を示す。もしかしたら最初から由来なんてなかったのかもしれない。人の生き様そのものが名前に意味を作るのだから。

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