kawada0zoさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2020!
あやしびと (1)
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GAGAGA |
芳文社 |
2020-09-25 |
妖怪&モンスターの日常系が多数ある中、後発故に新味は乏しいが、そこをキャラ立ちでカバー。唯一の人間(バレたら生命の危機)というヤバい状況でも息するようにセクハラを重ねる主人公、ダジャレが寒い雪女、ぶっきらぼうだが面倒見のいいゾンビにトリックスターの天邪鬼と個性派ぞろい。これで終盤にはあっと驚く劇的な(しかし唐突ではない)シリアス展開があるから読み応えも十分だ! |
謎のリリリス (1)
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TYONE |
芳文社 |
2020-11-26 |
平凡なJKが謎の生物と出会って…!? という導入は王道。だが謎だ。謎なのだ。帯に書かれた「キミらエサだ。」という物騒な惹句には早々にオチが付くが、そのオチすらも謎。とにかく過剰な謎設定が次から次に超速展開で詰め込まれてくるから目が回る。ところがどこか、それら全ての謎が解明される予兆もある、という。そのため既存のシュール系とは趣きが異なる、謎の新しさがある怪作となっている。 |
だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん! (1)
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佐野妙 |
竹書房 |
2020-02-27 |
豊橋に対して「こういう街」ってイメージがある人、少ないと思います。そこでこの作品は「こういう街なの!?」な驚きと可笑しさの連続。地理や名産、方言はもちろん、「放課」や「校区」なんて他愛のない言葉まで面白い。過剰な御国自慢にはならず、しかし豊橋の魅力をしっかり伝えてくれます。人物造形も奇を衒わず、クセの無い直球で魅力的。ご当地マンガの新スタンダードと広くお勧めできます。 |
意味がわかると怖い4コマ
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湖西晶 |
双葉社 |
2020-07-22 |
「意味がわかると怖い話」と4コマは想像以上に相性が良かった。サッと一本で読めて、スッとオチるショートショートの面白みがある。描き下ろし全56編、いずれも「怖い話」の基本からは外れず、しかし実にバラエティ豊か。大きな特徴が「解答編」の存在で、そのためミステリのテイストまで備えている。不条理オチや「ご想像におまかせします」が無く、「真実はいつも一つ」なのだ。 |
下を向いて歩こう (1)
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湖西晶 |
芳文社 |
2020-01-27 |
ビーチコーミングって、あまりにもマイナーかつ地味な趣味なんでは? ……ところがこれが、きらら系の王道「ガール・ミーツ・ガール」の物語とかっちり噛み合っている。中盤の新キャラ追加では交友関係が広がると共に、趣味の幅もまた広がるから面白い。ディテール描写もぬかり無く、入門書的な性格を備えつつ「ビーチコーミングはゴミ拾いだよ」なんて本質を突いたセリフも出てきます。 |