こいつらいつも飲み食いしてやがるっ!って思うと…、もちろんそういう漫画なんで。 10巻はなにか家族的な単位の切り口で描く回が多かったような。 そして男子ズ回とか、危険な香りしかしないみっちゃん×井田パイセン家飲み回とか、ワンポイント・アクセント的な話も、おっいいねえ!って感じです。
デパートの受付嬢・富士宮さんは才色兼備で誰からも好かれる人物。そんな彼女に思いを寄せるのはガードマンの内山くん。高嶺の花と気後れする内山くんが休日に全く違う雰囲気の富士宮さんを見かける。この基本設定から富士宮さんが休日をおひとりで満喫する姿を内山くん視点で描かれる4コマ。ゲームセンター、立ち食いそば、海釣り、寄生虫博物館。富士宮さんがジャンル問わずあらゆるものを超人的に楽しむ姿が面白いです。
性癖という言葉がフェチズムの代替語と化した昨今、本来の意味である生まれついた性分のあるがままにフェチを追求する蛍さんの生き様が眩しすぎる…! 迸る「好き」の念をページに練り込む作風は前作『さわらせてっ!あみかさん』を経て更に極まってますね。
類まれなる身体能力を買われ廃部寸前の特撮研に入部することになった海城あかね。スーツアクターとして特撮研を救えるか!? 4コマという枠において日常系に陥りそうなところをしっかり熱血部活物語の展開を見せる。とにかくアツい。これはやはり「特撮」ならではの王道さをベースとしているからだろうか。 それでいて4コマを活かし広げる演出が見事。4コマの枠を取り払った演出(いわゆるグレーゾーン方式)を、劇中劇という形で表現したのは感嘆の一言。
特撮という珍しいモチーフで描かれるのは、オタクたちのディテールの濃さと、「好き」を貫く趣味ものの王道ど真ん中。その「好き」の説得力は何より、作中の特撮作品のカッコよさに支えられている。4コマという枠組みを逆手に取ったアクションのすごさをどうか見てほしい。
スマホやビデオ通話などの現代的な(機能的な)ガジェットも交えながら、 およそマトモに写すことを目的とされてない写真、ピンホールカメラを通して逆さに描かれる思い出など、そのおぼろげさが強く全体と人物を彩ります。"ペヂッ"というシャッター音で振り返らせる流れが素晴らしい。 あとカツサンドのコマと、棒アイス食って夏休みを味わってるコマも好き。

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