ryousunaさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2022!
ばっどがーる (1)
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肉丸 |
芳文社 |
2022-01-26 |
主人公・優があこがれの先輩・亜鳥に意識してもらおうとして不良を演じるというスタイルのポンコツさがつかみとして素晴らしい。作品を読んでいくと優の基本スペックが高いことがわかるのだが、亜鳥との絡みになると途端にポンコツスキルを発揮しだす。崇拝対象の亜鳥は亜鳥で優のことを愛玩動物レベルで可愛がるちょっと浮世離れしたキャラクター。キャラの可愛さと抜群のコメディセンスが揃った作品です。 |
父と子
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あさや みのる |
KADOKAWA |
2022-03-10 |
お父さんとその子供のはーちゃんが送るありふれた日常を描いた4コマ作品です。大人にはありふれた日常でも幼児にとっては「初めて」はーちゃんが見て聞いて触って感じるものすべてが新鮮で楽しいものであることが読んでいると伝わってきます。お父さんもそんなはーちゃんの気持ちを大事にしています。さらにはーちゃんが直感的にする行動で大変なことになりそうになると、お父さんがファインセーブする子育てあるあるも描かれていてそれもまた微笑ましいのです。の体験であることを描いているのが魅力的な作品です。 |
おひとり好きの富士宮さん (1)
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イチノセ |
芳文社 |
2022-05-06 |
デパートの受付嬢・富士宮さんは才色兼備で誰からも好かれる人物。そんな彼女に思いを寄せるのはガードマンの内山くん。高嶺の花と気後れする内山くんが休日に全く違う雰囲気の富士宮さんを見かける。この基本設定から富士宮さんが休日をおひとりで満喫する姿を内山くん視点で描かれる4コマ。ゲームセンター、立ち食いそば、海釣り、寄生虫博物館。富士宮さんがジャンル問わずあらゆるものを超人的に楽しむ姿が面白いです。 |
雑兵めし物語 (1)
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重野なおき |
竹書房 |
2022-07-29 |
いまや戦国4コマ漫画家のトップランナーとなった重野なおきさんの新作は雑兵を主人公にした作品です。「雑兵物語」は江戸時代に書かれた書物でそこに「めし」を入れることで4コマ作品として面白く仕上げています。この「めし」というのが肝で食事という狭い範囲ではなく、戦国時代の名もなき人たちの生き方を象徴する言葉となっています。戦国グルメというより戦国サバイバル4コマと言えるのではないでしょうか。名もなき人たちの人生も日々戦いであると。また主人公・作兵衛を筆頭にメインに歴史上の人物をモチーフにしていない、重野なおきオリジナルのキャラクター作品を楽しめるという側面もあります。 |
ニチアサ以外はやってます! (1)
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猫にゃん |
芳文社 |
2022-03-25 |
特撮ときららのコンビネーションにより生まれた作品です。しかもその内容が深くてオタク心をくすぐります。作者である猫にゃんの深い知識が感じられます。登場キャラクターの名前も特撮作品シリーズのエポックメイキング作品の主人公格から取られているのが心憎いのです。部活物としても特撮作品を作り上げるという目標に向けてドラマが進んでいくのがたまりません。最後に表紙の芹沢部長が、ゴジラの芹沢博士の眼帯をビデオを構えて表現するの天才的だと思います。 |