自費出版のROCAが話題になっていますが、本書の巻末にはアナザーバージョンのROCAが収録されています(こちらも傑作!)。ROCAの物語は、そもそもは『ののちゃん』がルーツ。家族と小学校を軸にしながら、野球部の物語、造船会社の物語、将棋少女の物語と、多彩な要素を組み入れた懐の深い作品となっています。
コメディ4コマの名手・安堂友子のセンスがこの巻でも輝いています。定番昔話もマチ姉さんにかかるとギャグワールドに早変わり。鶴の恩返しだけでこんなにネタが出てくれるのかと驚愕ですね。昔話の世界観に現代的価値観を混ぜることで発生するギャグの切れ味の良さが見どころ。異分子同士の不居和音が笑いを生み出すのがよくわかります。
死神とズタボロOLのマリネ。基本的にこいつらダメだー! ダメダメだー! という方向で、どんどんと朱に交われば赤くなるの伝を突き進む死神メルメルの明日はどっちだ。と、バカっぽいやつなんですが、しかしこの巻最後ですっと突き出される事実にヒュッ……。ってなる漫画でもあります。それはそうなんですが……。ってなるのでもうダメ。
可愛いビジュアルとは裏腹なハチャメチャで予測不可能なギャグは2巻でも顕在。ギャグ満載な回もだが、それを抑え終始落ち着きがあり、シリアスさを感じるめぐりちゃんにスポットを当てた回や卒業式の回も強く印象に残った。作品は終わってしまったが、これからもこの作品でぽかぽか成分を味わいたいと思う。

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