全ての表現者、表現を愛する者に読んでほしい、「うたう」ことの強さを思い知らされる良書。史実とは違い、「エーリンナがサッポーの生徒だったら」というif設定ですが、それ以外は当時の古代ギリシアの価値観・生活感に沿っているとのこと。百合作品としてくくられることもありますが、ジャンルを超えて多くの人の心に届いてほしい。「うたう」が示すのはもちろん、声だけではありません。音楽だけに留まらず、あらゆる表現に対する賛美歌です。
相変わらずおもしろいし、定子様可愛い。いろんな意味で丸くなった少納言、ちょっとうちにもほしい。紫さんは相変わらず苦労人だなあ。弁官さんもだけど、貴子様のお世話をするのが、なんだかんだいって好きなんだなあ、とほっこり。倫子様と貴子様のやりとりが毎回好き。そんで安倍晴明の式神定子様、うちにも派遣してほしい。
歌麿をヒットさせ、馬琴を発掘した重三郎。しかし寛政の改革や石燕の死など、時世の流れが押し寄せる。才能が「ツキモノ」として視える重三郎の脚色が、かの時代を生きた命と命の間に必然の連続性を描き出してこの目頭を熱くする。ライトでポップな歴史ロマン、堂々の完結。
一貫したテーマを描きながら、4コマ目に必ず剛腕のギャグできっちり落とす、高レベルでまとまった4コマ漫画のお手本のような作品。史実だと応為はこの後、結婚生活や画業について必ずしも望んだとおりのものを得られませんでしたが、「この物語はフィクション」なので、この世界の応為は末永く添い遂げ、父とは違う自分だけの絵をみつけたものと信じています。

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