Biblio1719さんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2021!

またぞろ。 (1)
幌田
芳文社
2021-04-27
今年読んだ作品で一番好きです、というか1巻時点で今まで読んだ漫画の中で5本の指に入るくらい大好きになっています。正直これから先の人生でずっとバイブルとして心の支えになるんだろうなと思うくらいには強いです。 さて、またぞろの面白いところは1ページ1コマ一言一句全部なのですが、全部を語るには余白が狭すぎるので”視点の多さ”と”コメディ”について語らせてもらおうと思います。 まずは"視点の多さ"について。殊たち、周回遅れの留年生(と予備軍一人)の視点。謎の女やハムちゃんたち普通人の視点。竹屋先生の教師・保護者の視点。大まかに分けても3つの視点があり、一番目の比重が大きいものの、残り2つの視点もしっかり掘り下げて描写されています。これ故に作品への理解を得る取っ掛かりが増えますし、単純に感情移入できる視点が多くて何回読んでも違う楽しみ方ができるんですよね。 次に、”コメディ”について。英語版タイトルに”GIRLS COMEDY”と入っていることからお話の基礎にあるのは伺えるのですが、個人的にはコメディの作りが秀逸なのがこの作品の大きな強みだと思っています。コマの構成や話全体でのネタの配置、そもそものギャグの面白さなど、お腹を抱えて笑ってしまうようなおもしろポイントが頻繁に出てくるのがまたぞろの魅力だと私は考えています。コメディがあるからこそ、留年といった重苦しいテーマに息苦しさを感じさせず、また、激重のシリアス展開との対比がうまれて良い味が出ているのではないかと。 めちゃくちゃ可愛いということ以外本当になにもない、スターのように楽器が弾けたり、大金持ちだったりといった個性もない、本当にただの生きるのがド下手くそな人間である殊が何故かきらら漫画の主人公になっている。漫画の中とはいえどうしようもなく現実なんですよね。羽毛布団のようにフワリと温かい優しさはありますが、それでも真綿で首を絞められているような生きづらさがある。そんな人生を真面目に、でも面白おかしく描いている。またぞろはそういう作品だと思うんです。
瑠東さんには敵いません! (1)
相崎うたう
芳文社
2021-09-27
ずっとずっと待っていた相崎先生の新作。関係性や繊細な心理描写が本当に強いです。それらをさらに巧みな構図やずば抜けた画力で演出するので最強になっているんですよね…先生の個性や強みが注ぎ込まれている作品だなと… 連載開始時から雑誌で読んでいたので話が面白いのはわかっていたのですが、単行本表紙を見たときは余りの麗しさに携帯を伏せて思わず拝んだほどです、本当に絵が上手すぎる… 個人的には小守ちゃんが一番好きです、守りたい…
はなまるスキップ (1)
みくるん
芳文社
2021-05-27
治安最悪で草~などと思って手を付けていたのですが、話に進むにつれていい意味で化けの皮が剥がれていきます。ラーメンバトル回が1巻範囲では大好きで、料理で化調を使うたびに思い出しています。(??
六条さんのアトリビュート (1)
セトユーキ
芳文社
2021-03-26
きらら漫画と学習漫画を組み合わせたような作品で、日常系成分を摂取しつつ美術にも詳しくなれるという非常に教育的な作品だと思っています。 双石さんが大好きです。
ぎんしお少々 (1)
若鶏にこみ
芳文社
2021-07-27
写真を題材にした作品だけあって、構図の使い方が本当に上手いなぁと思いつつ読んでいる作品です。7話の夕焼けをバックにした扉絵が漫画というよりも純粋にイラストとして大好きです。

Biblio1719さんの既刊部門4コマオブザイヤー2021!!

まちカドまぞく (6)
伊藤いづも
芳文社
2021-02-25
全部が良いので特にコレ!!とコメントできるものがありません。すべてが最高です。 未だに恐ろしさで誰何さんのことを呼び捨てにしたり可愛いとか好きとか言えずにいます。助けてくれ
紡ぐ乙女と大正の月 (2)
ちうね
芳文社
2021-08-26
とにかく時代考証がすごい作品です。歴史漫画として読むだけでも十分に満足できますし、学校や図書館に置いた方が良いのでは?となるくらい歴史に親しみが持てると思います。
ぼっち・ざ・ろっく! (3)
はまじあき
芳文社
2021-02-25
ギャグの部分が面白いのは言わずもがなですが、物語の盛り上げ方が本当に秀逸でクライマックスにはいつも鳥肌を立てさせられています。
ななどなどなど (2)
宇崎うそ
芳文社
2021-04-27
p.106にこの世のすべての優しさが凝縮されています。ヒューマノイドと人間の友情はただの夢なんかじゃあないんですよね…
星屑テレパス (2)
大熊らすこ
芳文社
2021-09-27
1巻から困難に直面したときの各キャラの心情や言動などが嫌になってしまうほどリアルに描かれていましたが、2巻になって更にそのパワーが10倍増しくらいになって襲ってきた感じがします。特に、感情移入しすぎると本当に体調を崩すレベルで挫折感や劣等感の描写が優れているんですよね…劇薬の超良薬です。

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