fumasaburouさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2019!

人気マンガ家になるための15の法則(1)
津々巳あや
メディアファクトリー
2019-02-22
コミックウォーカーに掲載されたこの作品は、元々は休刊になったまんがタイムジャンボに掲載されていました。津々見先生独特の描写全開!!という感じです。女子大生の日常以来の毒のある漫画で、他の作家さんにはないキャラクター設定に魅力を感じます。WEB掲載のため知名度が低いのかも知れませんが、読むと中毒性のある漫画だと思います。
スナックあけみでしかられて
松田円
芳文社
2018-12-06
スナックやキャバレーが舞台だと、暗い作品になりがちなのですが、この作品はほのぼの感に満ちています。安心できる場所というか、一般人が集う憩いの場的な作風が大好きです。松田先生の作品は優しい内容が多いのですが。その中でもこの作品が一番優しいのではないでしょうか。主人公のあけみさんの魅力を余すことなく描いたこの作品、ファンならずともお気に入りの一冊になること請け合いです。
夜のメイドさん (1)
あづま笙子
竹書房
2019-05-27
部屋にユーレイというありきたりのテーマなのですが、メイドを強調することで、今までの作品にない独自感が良いですね。部屋の住人を気遣うユーレイと、銘家の子供という組み合わせも、作品を面白くしている要因だと思います。あづま先生の作品群の中では一番ストーリー性がしっかりと出ており、作画も丁寧で好感を持ちました。元々あづま先生のファンではありますが、この作品をきっかけとして更にファン度が上がりました。残念なことに完結していましたが、12月に完結第2巻が発刊されますので、また楽しみたいと思っています。
ふたりが家族になるまでに (上)
黒麦はぢめ
芳文社
2019-06-07
ものすごく練り込まれたストーリーと、他人との同居というテーマを真面目に真正面から捉えたこの作品は、とても斬新だと思います。ギャグ感は一切なく、思春期の少女と大人の男性の同居生活を描いています。心の襞や感情の流れを、ご都合主義ではなく描写する先生の作風は、本当に新しいと思います。下手な道徳教科書よりも、道徳教育に適している作品ではないでしょうか。ギャグやほのぼの、恋愛系も好きですが、真面目なテーマを楽しく読ませる黒麦先生って何物?と、鳥肌が立つ思いです。好き嫌いはあると思いますが、この作品は名作だと思います。
猫俣社長とちまりちゃん (1)
ヒャク
竹書房
2019-11-27
デブ専の動物漫画ですが、作画は実に自然で違和感がありません。ケモミミ作品は多いですが、ケモノをそのまま人型にした独特の作画が気に入りました。強面で荒っぽい性格なのに、ストーリーはマイルドな恋愛物という設定も良いです。今までになかったタイプの作品で、楽しく読める所も気に入っています。ただし、過去作や過去絵の追求は止めておきましょう。

fumasaburouさんの既刊部門4コマオブザイヤー2019!!

高尾の天狗と脱・ハイヒール (4)
氷堂リョージ
竹書房
2018-12-27
氷堂先生は、この作品を通じて作画もストーリー構成も上達したのではないでしょうか。人生観をテーマにした作品なのですが、とても楽しく読めるところが良いと思います。人外物も多い中、天狗をテーマにしたこの作品は異色です。みんなの興味を引く高尾山とアウトドアをみごとに融合させ、毎月掲載誌が発行されるのが待ち遠しいと思わせてくれる内容を描き出してくれました。作品取材のために行った高尾山に先生自らがハマり、気が付けば山ガールに成長してしまいました。体験談なだけに、作品には不思議な説得力があります。私もアウトドア好きなので、自分に重ねたこともしばしばありました。現在先生は続編を執筆中ですので、ぜひ楽しい作品にしてもらいたいと期待しています。
りふじんなふたり (3)
松田円
竹書房
2019-02-27
松田先生お得意の、少し毒のあるストーリーが特徴の作品です。登場人物4人がとても魅力的で、特に男の娘が登場してから作品に厚みが増したと感じました。サラリーマンとOLというありきたりの設定にもかかわらず、ここまで楽しく読ませる松田先生の作品は秀逸だと思います。しかし、現在は完結しています。正直なところ、もっと長く連載してほしかったです。
新婚のいろはさん (3)
ÖYSTER
双葉社
2019-06-12
OYSTER先生の独特の世界観が、とても魅力的な作品にしていると思います。漫画家と押掛け女房という設定から、ここまで楽しい作品を四コマで描くことのできる作家さんは、類まれです。起承転結を大切にするOYSTER先生だから描ける作品ではないでしょうか。ギャグ要素も健在で、過去作のどれとも似てないところが先生らしいです。超可動シリーズを執筆しながら、一方でほのぼの四コマを描く先生は、偉大だと思います。どちらの作品も、もっと読みたい欲が止まりません!
ローカル女子の遠吠え (5)
瀬戸口みづき
芳文社
2019-09-05
ご当地漫画で一番好きな作品です。設定もしっかりとしていて、漠然と地元紹介する他の作品とは一線を画していると思います。この作品の良い所は、しっかりとした体験取材に裏付けされていることです。名産品・原風景・習慣・方言など、作品が紹介するご当地は多岐にわたります。また、紹介だけではなく、まんがの作品としてきちんとストーリー性を描き出している所も気に入っています。本当に良い作品だと思います。
鬼桐さんの洗濯 (2)
ふかさくえみ
竹書房
2019-06-17
人外物ですが、テーマが「洗濯」という意外性がとても気に入っています。2巻の帯で洗剤会社広報部がレスするという、稀有な体験もさせてくれました。内容は人外専門の洗濯屋の物語なのですが、洗濯を依頼してくる人外が毎回新しく、かわいく描写されています。ふかさく先生が描く人物はある意味抽象的なのですが、とても魅力があります。今までに千人近い(推定です)人物を描いてきた先生だからこそ、人物の表情に厚みがあるのだと思います。既にたくさんの人外が登場していますが、先生は意地でも新たな人外を描き続けることでしょう。一方で、洗濯に関する知識もプロ顔負けです。この作品のために、並々ならぬ努力をしたのでしょう。単行本のカバー裏が如実に物語っていますので、ぜひご覧あれ!

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