mizuikewataruさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2015!

中原くんの過保護な妹(1)
ほっぺげ
竹書房
2015-06-05
 今年の新刊の中ではぶっちぎりにキャッチーで面白かったと思います。本作の魅力はとにかくヒロインに尽きますね。かわいさと愛おしさと優等生らしさとクレイジーさが掛け算で合わさった彼女は、歴代の妹キャラと比べても最強を争えるほどにキュートです。エンターテイメントにはやっぱり過剰さが大切なのだなあと再認識しました。大ヒットしてほしいですよ、ほんとに。
我々は猫である
ゆきひろゆき
アスキー・メディアワークス
2015-10-26
 人としゃべれる猫とそのご主人のあまりどうということもない日常をおもしろおかしく描いた作品。あずまきよひこに連なるセンスと、やわらかで愛らしい絵柄。何より、世界を見る目のあたたかさが全編に溢れていて、問答無用に好きになりました。フルカラーで単行本化した出版社にも拍手を送りたいですね。
トモちゃんは女の子!(1)
柳田史太
星海社
2015-10-08
 男以上に力強くてボーイッシュなトモちゃんが、幼なじみの男子に女性として見てもらおうとあの手この手でがんばる(でもやっぱり失敗する)話。コメディとしての完成度は飛び抜けて高く、突飛なキャラ設定でありながらもどこか地に足の着いた現実味を感じられるところが独特です。読み進めるほどに、トモちゃんを全力で応援せずにはいられなくなる、そんな作品です。ツイッター連載なので気軽に読めるところもグッド。
すわっぷ⇔すわっぷ(1)
とめきち
芳文社
2015-11-27
 きららの新作では他に『こはる日和。』『まちカドまぞく』も良かったのですが、ここは華やかな絵柄が目を引く本作をチョイス。これもまたヒロインが最高ですね。始終ジト目で何だか暗い性格に見えるけれど、その実お茶目で小狡くてでスケベで、行動もかなりアクティブ。いそうでいなかった新鮮なキャラクターになっていると思います。なお、キスで入れ替わるという設定から百合漫画と思われるかもしれませんが普通に友人どまりなので悪しからず。まあでもキスしてるんでね、エロいのはエロいですけども。
スクール・アーキテクト(1)
器械
芳文社
2015-03-27
 いやはや、なんとも、さすがというべきか、ちょっと待てよというべきか。好みやら面白さやら完成度やらとは無関係に、この作品には票を投じざるを得ません。こういった(もしかしたら無謀かもしれない)試みに挑戦する作者が一人もいなくなったら、4コマ漫画は緩やかに衰退していくしかないのですから。何も知らずにとにかく一読して驚愕するべき怪作。

mizuikewataruさんの既刊部門4コマオブザイヤー2015!!

たらちねパラドクス(2)
一迅社
2015-06-22
 例えようもないほどに美しく革新的な幕引きだったと思います。作者の努力と哲学と美意識と労働が有機結合してこれ以上ない奇跡を見せてくれた、いや大げさではなく、本当にそれくらいすばらしい仕事です。本作を読んで世界が広がった人間が少なからずいることでしょう。少なくとも一人はここにいます。
スロウスタート(2)
篤見唯子
芳文社
2015-08-27
 今「きららで一番面白い作品は?」と訊かれたら、本作を挙げるかもしれません。台詞の一文一文とその掛け合いのリズムに宿る強烈なオリジナリティを武器に、「女の子ってこんなにかわいい!」を高らかに謳う、この世に二つとない4コマ漫画。立ち位置的には『ゆゆ式』と同質ですね。近い将来アニメ化して大人気になる未来しか見えません。おしえてせんせいさーん。
いちごの入ったソーダ水(2)
荒井チェリー
芳文社
2015-10-27
 ここに来て荒井チェリーは最高潮のゾーンに突入した感があります。本作も『未確認で進行形』も、間違いなく作者の最高傑作といえますし今後もっと面白くなっていくでしょう。4コマ漫画界においては「ずっと変わらないこと」も一つの長所ではありますが、やっぱり僕は未来へと進化していく様が見たい。だから今も荒井チェリーファンだと胸を張って言えることが、僕は何より嬉しいのです。
WEB版 WORKING!!(3)
高津カリノ
スクウェア・エニックス
2015-09-25
 単行本化されると聞いたときはもうね、涙がでるかと。最初に読んだのはもう十年くらい昔だったでしょうか、それからずっと待ち望んでいたわけですから。しかも序盤は完全リライト。空を見上げて祝杯です。新刊部門に入れるか迷いましたがやっぱり怒濤の勢いでカップル成立おめでとうな3巻が一番好きなので、こちらに一票を。
箱入りドロップス(4)
津留崎優
芳文社
2015-07-27
 定例行事。いやだって実際今これ以上に面白い4コマありませんから。コメディのオブラートにくるみながら、真摯に青春の機微を描いている。キャラがキャラではなくて人間なんだ、生きていると本気で思わせてくれる作品というものはそうそうあるわけではないのです(個人的には5年に1作の頻度)。もう僕もアラサーになって感覚も大分鈍ってきましたが、それでも『箱入りドロップス』を読んで笑ったり泣いたり複雑な思いを抱いたりできる。それがひとつの救いです。作者には感謝の念しかありません。ありがとう、これからもよろしくお願いします。

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