wakuseipさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2017!

ざしきわらしと僕 (1)
西岡さち
芳文社
2017-04-07
 家庭の事情で祖母・トミ江の家へ越してきたショタ・裕貴とその家に住みついていた座敷童を中心に、従姉の希ちゃん、同級生の理緒ちゃんといった田舎の「全員かわいらしい(ここ重要)」人々の日常をつづった作品。演出的な面では、キャラクターの吐息が聞こえそうなほどの接写と、そこから舐めるように遠景を描いた構図が印象的。「子供がリアルタイムに感じた田舎風景」を追体験できるような作品になっています。2015年連載開始だから、長かった……単行本出ないかと思った……。11月に2巻も出ましたが、今回は新刊部門で投票。あと、ニコニコ静画で今なら10話まで無料で見れるよ! 読め、そして買え! ■ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/comic/26220
センセイのジジョウ (1)
楠見らんま
ぶんか社
2017-04-14
 「女性2人の同棲」が好きな人は読んでください(直球)。駆け出しの漫画家「奈々」と、教授を目指す大学講師「千秋」の、元同級生で現在は異なる「センセイ」である2人がひょんなことから同居を始めるという作品。もし百合作品なら2人は最初から両想いに描かれそうだし、一般向けなら2人の恋愛感情は秘匿にされそうですが、この作品は片方が「恋愛に無自覚」で、片方は「同性に恋をしている」ことが完全に名言されているという、いわば「半百合作品」として描かれています。2人が仕事に対して成長していく過程を描きながら、この状況でしか描けない美味しい百合シチュエーションをたくさん描いた良作、でした……。残念ながら今年11月に完結。ですが、12月のコミティアでセルフ同人誌『センセイのジジョウ if』が頒布され、自分もなんとか手に入れて読んだのですが、まさに「こ…これだよ、俺たちが求めているものは!」 いや、こうなるとギャグとして続けられなくなってしまうかもしれないけど…… いや、意外とこういう百合4コマもアリなのでは……? とにかく、完結が非常にもったいない! 2巻は2018年の頭に「電子書籍でのみ」出ます。物理版が出ないのも重ねて非常にもったいない!!
しょーがくせいのあたまのなか (1)
石見翔子
芳文社
2017-01-27
 『かなめも』の石見先生が、次回作として2014年に連載開始した作品。こちらも出るまで相当長かった……。男も女も入り乱れて「小学生が大量に出る」、というか「ほとんど小学生しか出ない」という思い切った方向に舵を切ったこの作品は、現きらら誌の中でもやや異色のフェティッシュな作品となりました。作品の傾向としては、ピリリと辛いシニカルなギャグ満載なのですが、これらはむしろ「子供を子供らしく書かない」という点で、「子供について真摯に考えている結果」だと思うのです。なぜなら、子供から見た同級生は大人びた奴からガキくさい奴までいて、それは大人の形成する社会と何も変わらないから。小学生の持つ悩みや人間関係などが、ギャグを交えて緻密に描かれている作品だと思います。おまえもしょーがくせいのあたまのなかをのぞいてみろ。■ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/comic/25463
小林さんちのメイドラゴン カンナの日常(1)
木村光博
双葉社
2017-03-28
 アニメのカンナと才川が可愛かったので衝動的に買いました。スピンオフ4コマ作品ってゲーム系以外あまり読んだことなかったのですが、もともと日常を描いた作品だけあってか本家と地続きな作品として楽しめました。カンナは人間と比べると子供という年齢ではないのですが、彼女の目を通して見ると、才川やクラスの仲間である「子供たち」に対する愛情や、トールや小林といった周りの「大人たち」への信頼感が見てとれます。僕もこんな子供に頼られる大人になりたい……。■ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/comic/24639
新婚のいろはさん (1)
OYSTER
双葉社
2017-10-12
 結婚せずとも幸せになれるこの時代。一部では「甘い結婚生活」など幻想とも言われる昨今で、こんなド直球に「甘い結婚生活」を描いた作品もなかなか無いと思うんですよ。相手の気持ちを分かっていながら反応に期待したり、逆に意外な面に気付いたりって、新婚ならではの新鮮味だと思うのですが、この2人は目の付け所が人とかなり違うのでずっとこんな関係を続けてくような気がします。たとえ幻想でも、その幻想が新しい何かを生み出すならいいじゃないか。今ならニコニコ静画で1巻の半分くらい読めます。■ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/comic/29456

wakuseipさんの既刊部門4コマオブザイヤー2017!!

ギャルとオタクはわかりあえない。 (2)
河合朗
メディアファクトリー
2017-04-27
 「普通のギャルと、推しアイドルとの百合」という題材で、限りなく理想に近いものを提供してくれる、非常に徳が高くありがたい作品。尊い。推し一直線の早乙女はもちろん一途なのですが、音無も「嫉妬深いアイドル」で本心では早乙女を独占したいと思うほど一直線なんですよね。そこで、早乙女の周りに新たな人脈が増えていくと、横柄だった音無の心も揺れ始めて……という2巻。本質的には相思相愛だけど、お互いに一途のタイプが違う不器用な2人なんだと思います。いやあ、早乙女さんは周りに人が増えても、その人たちを見てなおさら音無さんへの愛が深まるタイプの人ですよきっと! 
ゆゆ式 (9)
三上小又
芳文社
2017-08-26
 たくさんの人に愛され続けて第9巻。前巻と比べると、おかちーとふみおを巡る関係に大胆な変化が起きてる気がします。以前までのゆずこたち3人に対するおかちー・ふみおの関係は、おかちーは主に「突然話しかけられる人」であり、ふみおは逆に「突然話しかけてくる人」といった役割が多かったです。しかし、9巻はおかちーがかなり能動的に話しかけてくるようになっており、ふみおはむしろ3人から意外なアプローチを受けることが増えてました。特にp.26は、おかちーとふみおの優位性がついに逆転した瞬間であり、この辺りから「ふみおがイニチアチブを取られたらどうなるか」という面もしばしば描かれるようになった気がします。しかし、おかちー・ふみおの2人でこんな新たな一面が描かれるとは、ゆゆ式の長い歴史を感じますね。
まちカドまぞく (3)
伊藤いづも
芳文社
2017-09-27
 芳文社が『きららキャラット』でコツコツと作り上げている大砲。大きな目標を目指す中で小さな謎が現れ、それを解決する中で新たな情報が手に入り、次のステップに進むという、ストーリー物の王道をキチンと守っている作品。ストーリーを重視した4コマってどうしても1本1本のオチが弱くなりがちなんですが、この作品はどのオチもガッチリと面白いから困る。こういう作品がもっとあって欲しいと思う反面、「絶対作るの難しいよ……」とも思ってしまう。ストーリー重視だったはずの『きららミラク』も休刊しちゃったしなぁ……
キルミーベイベー (9)
カヅホ
芳文社
2017-10-27
 たくさんの人に愛されて、こちらも第9巻。お笑いバイオレンスぶりは全く変わらず、今巻は幽体離脱回とか、ちょっと危なげなネタも増えた気がします。(以前が危なくなかったのかというと、そうでもないけど) 9巻もやすなとソーニャの対決がメインとなっていますが、スポーツやゲームもそうなんですけど、やっぱり人が対決してるのを横から見るのって楽しいんですよね。それにしても、『カガクチョップ』も定期連載しながらこれだけ安定して面白いギャグを書けるというのは、どんな才能してるんでしょうかねこの人は。
宇宙ファラオ☆パトラちゃん (2)
ユキヲ
芳文社
2017-06-07
 まずは、ユキヲ先生『邪神ちゃんドロップキック』アニメ化おめでとうございます。こちらは「パトラ」ちゃんです。「パトラ子」ちゃんじゃありません。ユキヲ先生は自身の書くキャラの性格をたびたび「万人受けしない」と語っていて、『パトラちゃん』はそういった点をなるべく一般向けに寄せた作品らしいです。が、2巻に入ってから地球人姉妹の姉「のあ」の性格が豹変したり、火星の王女で正義を愛する「アレス」が登場したり、「のあ」の妹「れあ」とパトラちゃんの心が通じ合う話もあり、ギャグとほんわかのバランスが良い配分になりました。ちなみに、読みながらさらにのめり込む方法として、パトラちゃんの台詞をCV:悠木碧で脳内再生すると臨場感が上がります。それにしても、ユキヲ先生の描く美少女はほんま至高やで……

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