JSidetailさんの選んだ新刊部門4コマオブザイヤー2017!

どうして私が美術科に!? (1)
相崎うたう
芳文社
2017-03-27
女同士、空き教室、居残り。何も起きないはずがなく…。 この作品が誕生したのは2017年最大の功績と言っても過言ではないでしょう。 まず色鮮やかで見目麗しい表紙が目を引きますがこの美少女たち、全員居残り常連のぽんこつです。というのも、この子らはみな美術科の生徒としてどこかしらに事情を抱えているのです。 そもそも美術科を舞台としたきらら作品というのは今となってはスタンダード…だと聞きますが、「主人公が間違えて美術科に入学してしまう」作品はたぶん類を見ないのではないでしょうか。間違えて入っただけあって、美術科生としての才腕もそれ相応です。 そんな主人公の桃音は、同じく望まずして美術科に入った黄奈子と出会い、普通科に異動できるかもしれない選択肢がある中で、美術科生として戦い続ける道を選択しました。 間違えて入ったとか、才能がないとか、そんなの関係ない。自らの居場所とそこにいる意味を探し求め奮闘する少女達を描いたこの作品。「どうして私が美術科に!?」というタイトルが何を意味するかに着目して読んでみて下さい。 黄奈子の中学時代の知人である翠玉先輩の激エモ感情にも注目です。 またこの作品は登場人物の"弱さ"を描くのがとにかく上手く、まるで生きた人間を観測しているかのように、等身大の女の感情と関係性がそこにあります。 次世代のきららを代表する、というのは公式の作品紹介文に記された一節ですが、そう豪語するに相応しいだけのパワーがある新進気鋭の作品です。伝説が刻まれていく瞬間を共に見届けましょう。
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JSidetailさんの既刊部門4コマオブザイヤー2017!!

ご注文はうさぎですか?(6)
Koi
芳文社
2017-11-09
もはやこの作品を読んでいない人間は地球上に存在しないと思うので割愛します。「最強」の力をとくとご覧あれ。
まちカドまぞく (3)
伊藤いづも
芳文社
2017-09-27
過去に潜り込む闇の力を以て光ある未来を目指す女の子と、未来を切り開く光の力の代償として刻まれた過去の闇に囚われる女の子の、宿敵であり戦友であり師弟であり恩人であり親友でありetc…という不思議な関係性と卓越した言語センス、善と悪の交錯する絶妙な世界観のもと繰り広げられる今世紀最高にアツい4コマ漫画。萌えは勿論、少女たちの関係性の描写もコメディもストーリーも全て高水準、さすがにどう読んでも面白い。 サブタイトルや各コマ内の随所に伏線や小ネタが隠されているため、陳腐な表現になりますがまさしく「噛めば噛むほど味が出る」作品だと思います。ストーリー4コマの決定版と言えるでしょう。 個人的に心の底から"聲(こえ)"が出たのは2巻と3巻に登場するとあるアイテムとサブタイトルの仕掛けですね。絶対に気づいてほしい。
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